半田商工会議所 THE HANDA CHAMBER OF COMMERCE & INDUSTRY

会員トピックス
はんだの元気印企業

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人の心を支えたい

2023年1月17日(火)

カウンセリングルームすずらん

代表の伊藤瑞恵氏は、10代の頃、テレビ番組で観た精神対話士の特集で、震災で家族を亡くし一人になったおばあさんが「周りの人たちも同じだから、辛いなんて言えなかった。あなたが話を聴いてくれて心が軽くなった。ありがとう」と涙する姿に感動し、いつか人を支える仕事をしようと考えていた。30代になり、自身が人間関係のトラブルで仕事上や私生活でも悩み絶望の淵に立った時、ある友人の言葉に救われた。「たった一人でも味方がいれば、最悪の方向に行こうとは思わないでしょ」この言葉をきっかけに10代の頃の決意を思い出し、仕事をしながら、カウンセラー養成学校に通った。交流分析を学びながら様々な人の悩みと向き合う中で、想いを言葉にできない人もいると気付き、箱庭療法を学び始めた。
 箱庭療法とは、カウンセラーが見守る中、クライアントが自発的に、砂の入った箱の中にミニチュア玩具を置いたり、砂自体を使って自由に何かを表現したり、遊ぶことを通じて行う心理療法のことで、言語的面接と併せて行う手法である。言葉では想いを表すことができない人の心の内側に秘めたものが箱庭の中に表現され、それをカウンセラーが読み取り、共感することにより癒しの効果を得られる。
 伊藤氏は、心理カウンセラーや行動心理士など資格を取得し、平成29年5月、箱庭療法カウンセラーとして『カウンセリングルームすずらん』を開業した。開業当初は、レンタルスペースや自宅で対応していたが、それではクライアントに対し十分な周知と安心したカウンセリングができないと思い、現在では独立したカウンセリングルームを構えている。業務内容として、通常のカウンセリングはもちろん、国家資格キャリアコンサルタント取得後はキャリアコンサルティングの技能を活かした就職・転職など仕事に関する悩み相談に応じている。
 また、箱庭心理セラピスト養成講座を開講し、箱庭療法の基礎から実践運用までを指導しており、カウンセラーとしての起業希望者の他、スクールカウンセラーや学校関係者が受講している。
 カウンセリングにおける相談内容は、人間関係や仕事関係(就職や転職、自身は何が適正であるのかわからなくて悩んでいる)が多い。人間関係の悩みには、じっくり話を聞いた上で、言葉で表すことが出来ない部分を箱庭療法により自由に表現してもらい、クライアントが前向きな気持ちを取りもどし行動できるように関わる。開業後5 年が経過し、新規のクライアントはもちろん、リピーターも増えてきた。最近ではペットロスの相談も増えている。ペットロスから立ち直りたいとの相談に箱庭療法を実施し、日常生活に支障が出るほどの悲しみを抱えていたクライアントは、ペットへの感謝の気持ちを持つことができるようになり、前向きな姿勢を取り戻した。ペットロスは正しい対処をしないと重症化し、鬱や不登校、家庭崩壊、時には最悪のケースにも繋がるという。今後は主にペットロスに苦しむ人のために、箱庭療法を活用した独自のカウンセリングに取り組んでいく。
 全ては人の悩みを聞いて心を楽にしてあげたい、人を支える仕事がしたいという想いから…。自身の辛い経験を踏まえ、これからもカウンセリングに励む。(取材:竹内圭志)
             
【住所】半田市岩滑高山町7-42-1 
【代表】伊藤瑞恵
【創業】平成29年5月  
【TEL】080-4523-6567
【HP】https://suzuran-smile.amebaownd.com



作りたいものを作れるミシンを

2022年12月13日(火)

衣浦ブラザー

ミシン一筋50年。半田市唯一の「ミシン屋」衣浦ブラザーさんにお話を聞いた。
 店頭にはブラザーやジャノメなど4社のミシンを常時30台展示している。その種類は代表的なコンピューターミシン、ロックミシンが中心だが、プロ仕様で皮が縫えるモーターの大きなミシンや、刺繍ミシン、ライブカメラ搭載で縫いやすさを追求したハイテクノロジーなミシン(最先端のコンピューターミシン) もあり、見ているだけでミシンの進化を感じる。
 では、ミシン購入を希望し店頭に訪れた人にとって、この種類の豊富さはどうだろう。種類と価格帯の豊富さ故、自分が求めているミシンは何か、答えが見つからないこともある。そこで相談に乗ってくれるのがスタッフさんだ。取材時、ソーイングアドバイザーの井戸智恵さんがミシンについて無知な筆者にもわかりやすく丁寧に機種による違いを教えて下さった。「価格の幅は広いです。でもそれにはきちんと理由があって、お客さんが何を縫いたいのか、その要望に応えられる機種をオススメしています。せっかく購入していただいても作りたいものが作れない、なんてことがないように。」と、ミシンについて伝えるだけでなく、創作に対する想いも大切に接客していることがわかる。
 それもそのはず、こちらでは“なんでもソーイング教室”を開催している*。着物や帯を洋服や服飾小物にリメイクしたり、時期になると幼稚園のお遊戯会で必要な衣装を製作するママもいらっしゃるそう。こちらでミシンを購入した人はもちろん、購入を検討している人
が、どんなミシンが自分には必要なのか、使ってみたい時も申込みすることができる。店内には色とりどりのミシン糸はもちろん、手芸用の材料、手作りのカバンや洋服がところせましと飾られている。教室に通う生徒さんが「これ素敵だから作りたい」とお手本にしていることだろう。
 衣浦ブラザーは今年、代表を49年務めた父から子へ事業を引き継ぎ、また令和5年には創業50年という大きな節目を迎える。栄町の店舗以外にも大型店舗での催事形態の販売を積極的に行っておりその範囲は知多半島にとどまらず県内全域と広い。
 今からさかのぼる事30年。当時半田市内の大型店舗にミシン屋を構えることを決めた現会長の誘いをきっかけに、現社長の井戸龍彦さんと妻の智恵さんが入社。販売後のメンテナンスのため他店舗との連携も取っている。現会長が歩みを始めた“大型店舗での催事形態の販売”を現在も続け、ミシンの魅力を多くの人に知ってもらう機会となっている。8名のスタッフで支える、この街の「ミシン屋」は、ミシンの実力とその魅力を伝え続けるだろう。      (取材:加藤由香恵)


*開催日は月~土、午前の部午後の部の1日2回。
 詳細は衣浦ブラザーHP にて             

【住所】半田市栄町4-126  【代表】井戸龍彦
【創業】昭和48年  【TEL】21-4036
【H P 】http://kinubro.com



「人と街を豊かに」を会社の使命として、 自給自足で売電収入がある家を当たり前にしたい

2022年11月16日(水)

株式会社チタコーポレーション

 創業、平成7年法人設立し、賃貸・建築事業からスタートし、27年。現在6事業を手掛けている。2022年10月に、昭和町から北二ツ坂町へと本社オフィスを自ら手掛けたデザインに優れた木造建築のテナントビル「宮池テラス」2階に本社機能を移転することで、さらなる情報発信や人材採用の強化を行っている。
 同社は「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」の経営理念のもと、平均年齢29歳、従業員55名でお客様の感動と喜び、幸せと満足を第一に考え、「ありがとう」を言われることを喜びに、「住まいと暮らしのプロ」として社会に必要とされる企業になるため、 常に進化し続け、人と街をより豊かにしている。
 同社が力をいれている事業であるイシンホーム(フランチャイズ加盟)では、世界情勢による物価高やエネルギー問題が深刻化している中、人気の電力を自給自足できる家を販売している。
 その人気の秘密は、一生、電気・ガス・ガソリンをほとんど支払わない家。手がける家にはメーカーが40年保証する高性能な太陽光パネルが標準装備されている。このパネルは曇りや、少々の雨でも発電可能。更に安定した電力供給ができる高性能の蓄電池も標準装備。日常や災害時の電力を賄えるだけでなく、電気自動車への充電も行えるなど、電気代、ガソリン代の節約や売電にも繋がる。
 玄関を入るとすぐにクローゼット、玄関横のクリーンルームで除菌、そして洗面所に行ってさらにナノバブルウォーターの水で除菌するようになっている。ウイルスなどを家の中に持ち込まないように、ウイルスと花粉をカットするようにしており、また、家の中におもしろ空間を設けるなど、巣ごもり時に家族で楽しく過ごせる工夫があり、withコロナ時代を踏まえた設計になっている。
 家作りへのこだわり、それは家を設計するのではなくて良い人生設計を提供する。そのためには、『一生エネルギーをできるだけ使わない経済の設計をする』、『コロナのような健康に対しての設計をする』、それからもう一つは、『将来に向けての老後の生活等の先々のことまで考えて、エネルギーを使わずに健康でいられる』、そういった設計がテーマになっている。
 また、今、力を入れていることは、職人さんとお客様の交流を通じて、一緒に家を作ること。その交流の一つとして、顧客を現場に招き、おもしろ施工体験を実施している。直接交流することで家作りへの安心感や、一緒に家を作る喜びを生み出している。
 代表の三好氏は、イシンホーム事業を通じて「自給自足で売電収入がある家を当たり前にしたい」と言われる。
 (取材:竹内稔晴)

【6事業部門】
 ・イシンホーム半田店、知多店  ・アパマンショップ半田店
 ・チタコー不動産販売半田店、知多店
 ・インテリアショップBRAINS(ブレインズ)
 ・チタコー管理センター  ・セントラルビル

株式会社チタコーポレーション
【住所】半田市北二ツ坂町2-15-15 宮池テラス2F
【代表】三好 修  【創業】平成7年  【TEL】23-2421



湯のぬくもりが、肌を潤し心を癒す。美味しい料理で至福のひと時を。

2022年10月27日(木)

株式会社まるはごんぎつねの湯

 創業昭和25年、名物ジャンボエビフライをはじめ、地元の獲れたて魚介類などの食事が楽しめる“まるは食堂 ”を営んでいる(株)まるはが、半田市平和町にある「ごんぎつねの湯」を事業継承したのは令和3年6月のことだった。
「ごんぎつねの湯」前オーナーと同社坂野社長が10年以上前から付き合いがあり、後継者を探していた前オーナーから声をかけられたことがきっかけとなった。温泉の泉質が同社本店のうめの湯と同類泉質であることなど、様々な縁から事業継承に至った。
「ごんぎつねの湯」は平成9年に開店、源泉掛け流し露天風呂がある県内有数の高温天然温泉だ。継承後は、これまでのいいところは残しつつ、時代に合わせた形で常にアップデートを考えている。そのひとつが食堂のリニューアルだった。今年4月27日に食事処を“まるは食堂”としてリニューアルオープンしており、温泉とまるは食堂名物の食事が一緒に楽しめる。特製出汁のごんぎつねうどんなど、ほかの店舗では味わえない、まるはごんぎつねの湯オリジナルメニューも多数用意されている。温泉で心と体がリラックスしたあとは、ぜひ食堂でおなかも満たしてほしい。
他にも、夏期には時間限定で温泉の内風呂を巨大水風呂に変身させるなど、新しい企画にも挑戦。実は企画段階での社内反応はイマイチだったそうだが、いざやってみると多くのお客様にご利用いただき大好評だった。今後は、日帰り温泉バス送迎プランや、団体宴会等も猛威を振るうコロナと闘いながら、積極的に打ち出していきたいと支配人の中村氏は語った。
今回お話しを伺った支配人の中村氏は、生まれは名古屋市だが、両親は知多半島の出身という事もあり幼少の頃より知多半島各所にはゆかりがあった。支配人の任に就いた今となってはとても縁を感じている。お客様の目に見えない、聞こえないご要望を汲み取り、表現したり形にしたりすることを大切にしながら、何事も経営理念からブレずに取り組むことも気を付けている。スタッフもプライベートが充実できるよう、仕事とメリハリのある環境づくりを心掛けている。中村氏自身もプライベートは家で過ごすよりも、事前に何をするか、何処に行くか、どう過ごすか決めるのが好きで、美味しい食べ物や綺麗な景色を見たり、温泉巡りやBBQをしたりなど、とてもアクティブだ。一人で楽しむよりも家族や友人と一緒に楽しんでいる時が一番嬉しいとのこと。そういった性格もあり、些細な事から大掛かりな事案まで、仲間と一緒になって進めて行くときに<楽しい>を追求し、時にはつらい時も最後は笑顔で終われる瞬間を目指して取り組んでいる。仲間と共に創りあげていく様々なサービスに対し、お客様や関わる全ての方々が目の前で喜んでいる姿を見たり、時には言葉で返ってくる瞬間にとても喜びを感じる、と話された。
 来春には、露天風呂やサウナを始めとした温泉の修繕と大規模な改装を行う予定だ。他にも BBQ場を新設し、より幅広い世代にご利用頂けるよう施設展開を構想中。地元のお客様を中心に知多半島へ観光のお客様にも喜んで頂けるお店作りを常に目指している。これからの展開にもまだまだ目が離せない。日々の疲れを癒すだけでなく、休日の楽しみとしても、ぜひ「まるはごんぎつねの湯」を訪れてほしい。(取材:濱島千尋)



人命を守り生きつなげる防災、楽しい防災を考える

2022年9月28日(水)

笠井防災教育考究社

9月1日は防災の日として制定されている。これは1923年に発生した関東大震災に由来しており、この日には毎年、各地で防災訓練や避難訓練が行われている。当所の会員事業所にも人命を守る防災のスペシャリストがいることをご存知だろうか。
『笠井防災教育考究社』代表の笠井貴洋さんは、専門学校卒業後、民間企業で複数の職を経験した後に自衛隊に入隊。高校生の時に所属していた銃剣道部(※)の練習や遠征などの際に、自衛隊員との交流があったことがキッカケだったという。退任後の現在でも、即応予備自衛官として年間30日程度の訓練にも従事しており、自衛隊時代からのキャリアは20年以上に亘る。
 令和3年に開業してからは、自衛隊での経験を基にした講演において、災害発生時の避難所生活でもストレスが少なく過ごせるような、人と人とのコミュニケーションの大切さなどを伝えている。また、個人や自治会関係からの依頼で行う機会が多い防災講座では、行政団体が公表しているハザードマップを用いて、自身の生活圏内に存在する危険箇所を知るグループワークなどを行っている。この講座では更に、笠井さん自身が実際に購入・試用した中で、使い方が分かりやすく手頃な価格で買えるオススメ防災グッズも紹介してもらえるそう。一律に与えられる物ではなく、自分の年齢や生活様式に合ったグッズを自身で選択して揃えることで、使用方法の理解度や意識も高まるという。
 笠井さんは「楽しい防災」を念頭に活動されており、近年ブームになっており自身の趣味でもあるキャンプなどを入口に、個々人の防災意識を高めることにも注力されている。その中でも、自分で揃えた防災グッズで実際にキャンプをしてみて、不便に感じたり足りなかった物を補う「避難生活体験」は非常に有効であるそう。このような活動を行うのには、避難するという行動へのハードルを少しでも下げてほしいという想いがある。「特に、災害時に前線で働かなくてはならない人(医療関係者や行政職員、企業の担当者など)や、その家族に最も深い知識を持ってほしい。有事の際の心の安定には、家族が安全だと思える気持ちが一番大事。非常時の連絡手段や避難場所の確認などをしっかり家族で話し合うことで、自分だけではなく周りの大切な人の安心につながるということを知ってほしい」と笠井さんは話す。
 現在は当所青年部にも入会するなど活動の幅を徐々に広げており、今後は企業向けにも、BCP策定の前段階として、社員だけでなくその家族も受けられるようなバーベキューをしながらの勉強企画や、企業主催で地域住民も参加できる防災イベントなどの開催にも取り組んでいきたい構想がある。備蓄米の袋の置き方ひとつにも自衛隊式があるそうで、笠井さんは他ではやっていない防災だが絶対に必要な防災を教えてくれる。企業が防災を考える上での理想は、顧問弁護士のような形で企業にも専属で危機管理アドバイザーや防災士がいることだという。
 防災というと、誰もが必要性は感じているが疎かになりがちな分野でもある。「普段のスーパーでの買い物でも『これは防災食に使えそう』など日常的に考えてほしい。備えなので結果が出づらいのが防災だが、同時に必ず身に付く保険でもある。多くの人に今までの防災のイメージを変えてほしい」と話す笠井さん。第一に人の命を守り、そして助かった命を生きつなげる術を持つ彼だからこそ、“ 受け取るだけの防災” ではなく“ 深く考える防災”の重要性を伝えられるのだと感じた。            (取材:齋田哲資)


※自衛隊でも体育の一部として採用されている、剣道のような防具を 身に付けて竹刀の代わりに木銃を用いて相手と突き合う競技


【住所】半田市花園町  【代表】笠井貴洋
【TEL】090-9183-7954