2018年3月31日(土)
――着物、とてもお似合いですね。
ありがとうございます。結婚前に着付けをかじった程度で、勤め始めた頃は一人で着ることはできませんでした。でも浴衣は大好きで、浴衣を着るために、子どもを盆踊りに連れ出したこともありました(笑)。今では着物もとっても好きになりました。日本文化に触れることが出来るのも、木曽路に勤めているからと感謝しています。
――お勤めされてどのくらいですか?
結婚前は保育士をしていて、人と接するのは好きだったんですね。それで子どもが保育園に入園したのを機に、何かしようと考えていました。そんな時にたまたま募集チラシが目に留まり、お勤めするようになりました。最初は3時間くらいの勤務でしたが、今では一日の半分くらいはここで働いています。子育て中は子どもを置いて働くことの後ろめたさや、可哀想かなと思ったこともありました。でも主人や両親が応援してくれたので、今まで働けたと思っています。働き始めて22年になります。
――22年、長い年月ですね。
接客とフロントを担当し、この間に人として大切なことを教えていただきました。それを実感できる職場だから、長く勤められたということもあるでしょうね。お客さまと接し、気づきや思いやりの大切さを学んだことは、私の人生にプラスになったと感じています。勉強会ではきちんとしたおもてなしのマニュアルに則って指導いただき、その姿勢に心打たれています。半田店にパートとして入社後に店長として活躍され、現在は本部の教育トレーナーをされている半田出身の方がいらっしゃいます。その方の下で、厳しい中にも愛溢れる教えを学ばせていただいています。遥か遠い存在ですが、いつか少しでもその方に近づけたらと思っています。
――素材や、秘伝のごまだれ、おもてなしと、様々なこだわりがありますね。
木曽路はそれらに加え、地域の方に喜んでいただきたい、食を通して幸せになっていただきたいという思いがあります。季節毎の行事や各種宴会、ご慶事、特別な日、大切な日など、それぞれの場面でご利用いただいていますが、お客さまから「ここでやって良かった」「また、来るね」というお言葉をいただくととても嬉しいですね。働く励みになっています。
――最近は『お食い初め膳」が人気ですね。
「お食い初め」はご誕生100日目にお子さまが、一生食べ物に困らないように願う儀式で、その祝い膳が『お食い初め膳』です。1年ほど前からオファーが増え、平日でも一日に3・4組のお客さまがお見えになることもあります。ママ友同士の口コミでも広がって、お友達が木曽路でやって感激したからと、お越しになるお客さまが圧倒的に多いですね。おじいちゃん、おばあちゃんとご一緒という方もいらっしゃいますが、お若いご夫婦と赤ちゃんだけのお客さまも増えています。私たちはお食い初めの謂れや、お料理一つひとつの意味を説明し木曽路流のお食い初めの儀式をお手伝いし、ご家族一緒に楽しんでいただいています。そして満1才のお誕生日の儀式もご用意しております。一生に一度のことですから、誠心誠意努めさせていただいています。幸せイッパイで、感無量のご家族を幾組も拝見してきました。そういう感動の場と出会え、働いている私たちも幸せのお裾分けをいただいています。お客さまからの「ありがとう、ここでやって良かった」の言葉は、私たちにも大きな幸せを運んでくれています。
――従業員さん同士、和気あいあいですね。
みんな仲良しですね。女子大生さんも多く働いていますが、私の娘より若くてみんな可愛いですよ。大学の卒業が決まり、ここを巣立っていく子たちとの別れは辛くて、みんなで涙、涙で送ります。「ここで学んだことが、社会に出てから役に立ちます」と言ってくださる子もいて、私たちも嬉しくて、また涙です。そんな彼女たちが社会人になって、お客さまとして店に来てくれることも嬉しいことです。結婚して時間のある時にお手伝いに来てくれる人もいて、年末年始の繁忙期には、懐かしい顔ぶれが揃います。そんな時、人と人がつながっていることを実感できます。
たまたまのご縁で入社しましたが、今店長や接客長の下で働けていることが幸せです。とても充実した毎日を送っています。