2018年10月17日(水)
――もちろん、大の犬好きですよね。
アトピー症状が落ち着いた中学1年生の時に柴犬を飼ってから、わんちゃんにハマっています。今も朝から夜までわんちゃんに接し、同業者の女子会でも犬の話ばかり。こんな毎日ですが、犬との関わりが苦になることはありません。独立して13年になり、自分の好きなようにお店を運営でき、好きなわんちゃんと携わり有意義な日々です。
――元々、トリマー志望でしたか?
柴犬とドックショーに出たりしている内に、犬に携わる仕事がしたいと、その関係の雑誌を読みあさっていました。ある時の表紙が、アメリカで活躍されている日本人とプードルでした。そのプードルのカットが神業的に見えて、衝撃を受けました。その時にトリマーという仕事を知り、高校卒業後は迷わずトリマー育成の専門学校に進み、わんちゃんを洗い、トリミングする2年間でした。卒業後はペットショップに勤めました。
――夢の実現、ワクワクのスタートですね。
トリマーとして入社したのに、子犬の世話や接客、物販と覚えることばかりで苦労しました。22歳で店長になった頃にペットブームが到来し、目前の仕事をこなすことで精一杯の毎日でした。2004年にアメリカで、グルーミングショップ経営の日本人の方がインターネット上で「研修にきませんか?」と呼びかけていたんですね。その頃、現状から脱出できない自分に戸惑っていたので、最新の技術を学びたいと、ビビッと来て(笑)、渡米しました。それが大きな転機となり、初めて独立を考え始めました。
――ペット先進国、アメリカでの研修は?
目から鱗がボロボロ落ちた(笑)2週間でした。お客さまにご来店いただけるかと不安を抱えた開店でしたが、今では多くの方々に支えられ、1日5・6頭のトリミングをしています。アメリカは合理性を優先することが多いのですが、学んだ技術や考え方を日本人に合うようアレンジしていますので、抵抗なくお客さまに受け入れていただいています。トリミング方法も犬種によって異なり、流行がありますので、あちこちのセミナーに参加しています。また、仕事終了後の有志との自主練習は、とても大切な時間です。
――わんちゃんの流行もありますね。
日本では今、プードルが人気で、丸くフサフサにトリミングし、可愛さを追求される方が多いんですね。でも、可愛さ=わんちゃんが生活しやすいのではなく、顔もっこりでは耳が塞がれたり、口が汚れやすくなり健康まで損ねてしまいます。当サロンは『大切なわんちゃんの為の優しいトリミング』をコンセプトに、健康のために低刺激のシャンプーを使い、販売しているおやつもほぼ無添加です。オーラルケア(歯磨き指導)や、高濃度炭酸泉オプションコースも設けています。
お客さまの言われた通りにトリミングしていた時期もありますが、今は学んできたことをお客さまにもお伝えし、わんちゃんのために、最善なトリミングを心がけています。「ここでは色んなことを教えてもらえる」という声をいただくことは嬉しいですね。
――看板犬は2頭のテリアですか?
私の練習のお役も兼ねてもらっています。テリア犬種はプラッキングが必要なので、その技術を浜松に住む先生から5年くらい前から学んでいます。HPを見た遠方(岐阜県や三重県等)からのお客さまも来店され、1日の予約がテリア犬だけの日もあります。
仕事で犬と接することも楽しいのですが、トリミングコンテストやドックショーなどの競技大会に出場するのも、また楽しいものです。色々な人と知り合い、色々な情報をいただく場でもあり、自分の成長のためにも大切な場と実感し、可能な限り出場しています。ペットカットには正解はありませんが、可愛くて健康、それが『大切なわんちゃんの為の優しいトリミング』と思っています。