あいさつ川柳コンクール入賞者

 当所教育問題委員会(松石奉之委員長/マツイシ楽器店)では、大人と子供、大人同士、子供同士のコミュニケーションの輪を広げるために、平成20年度よりあいさつ運動を推進しています。あいさつ運動の一貫として「あいさつ川柳」を募集した結果、2,257名の方よりご応募いただいた。審査の結果、下記のとおり入賞者が決定し、12月18日に表彰式を行った。

敬称略
◆最優秀賞(半田商工会議所 会頭賞)
 「町中に 溢れてほしい ありがとう」 大橋紅音(半田市立成岩中学校)
 選評/やや標語的感覚もあるが、「ほしい」との言葉で作者の願いが表現されている。同時にあいさつの言葉の中でも、作者が何を一番大切にしているかが明確に表現されている。「ありがとう」との感謝の意を表現する挨拶語はどの世代にとっても、どんな状況によっても一番大切にしたい言葉であり、作品から「ありがとう」との言葉の飛び交う街角の明るさを想像することができる。

◆特別賞(半田市長賞)
 「こんにちは はずかしいけど いえました」 高木満莉菜(つばさ幼稚園)
 選評/情景が素直に描写されており、句から一枚の絵が想像できる。初対面の人への挨拶は成人になっても恥ずかしさを伴うものであるが、その壁を乗り越えた姿が表現されている。

◆優秀賞(3作品)
 「大空に とどくぐらいの あいさつを」 鶴田萌香(半田市立亀崎小学校)
  選評/作者の強い意志が表現されており、おおらかな明るさを想像させる。
 「かあさんに いまならいえる ありがとう」 森 喜浩(半田市立青山中学校)
  選評/「ありがとう」との言葉は身内、肉親への甘えからかどの世代でも身近な人にはなかなか言えないもの。様々な複雑な情を乗り越えての母への感謝が感じ取れた。
 「あいさつで 夕べのケンカ 仲直り」 稲本きさ子(一般)
  選評/「あいさつで」が「おはようで」あったならば一番情景の見える句として、もっと上位にしたかった作品。たった一言の挨拶でわだかまりの解けていく情景が句に映し出されている。

◆佳作(10作品)
 「がんばるよ はずかしいけど こんにちは」 山浦明歩(半田市立亀崎小学校)
 「ありがとう きみのえがおが みたいから」 新保友梨(半田市立板山小学校)
 「笑顔キラ こんなあいさつ うれしいな」 国分 遥(半田市立横川小学校)
 「あいさつで あさのぼやけが とんでいく」 山田莉子(半田市立雁宿小学校)
 「おちこんで あいさつされて てれわらい」 中村美保(半田市立青山中学校)
 「聞こえるよ 植物達も こんにちは」 酒井花菜(半田市立成岩中学校)
 「いただきます その一言で 母笑顔」 竹本健汰(半田市立成岩中学校)
 「おはようで 始まる我家 みな元気」 内藤敏子(一般)
 「ばあちゃんの 口ぐせチャンと ごあいさつ」 澤田治子(一般)
 「ありがとう きみのこころに とどけます」 岸本保男(一般)

今回、惜しくも入賞できなかった選外佳作をご紹介させていただきます。
◆選外佳作(20作品)
 「こんにちは ぼくらの街に 笑顔咲く」 矢賀部省太(半田市立有脇小学校)
 「わすれない だいじなことば ありがとう」 福井瑚菊(半田市立成岩小学校)
 「いってみよう 心広がる あいさつを」 榊原衣海(半田市立板山小学校)
 「学校を 気持ちよくする こんにちは」 安原晃弘(半田市立亀崎小学校)
 「ありがとう 言われる人に なりたいな」 武田紫甫(半田市立青山中学校)
 「おはようの 一言だけど いい気分」 浅野祐也(半田市立半田中学校)
 「おはようと あいさつ通う 町景色」 新美杏介(半田市立乙川中学校)
 「あいさつが どこでもきける 我が半田」 浜 由佳(一般)
 「今日もまた 笑顔をくれた ありがとう」 藤村美樹(一般)
 「ニッコリと 和ごむ互いの ご挨拶」 桃井純夫(一般)
 「おやすみと いえたらいいな うれしいよ」 清水海輝(半田市立板山小学校)
 「目を合わせ 心の会話 ありがとう」 大島魁斗(半田市立亀崎小学校)
 「ふってくる あいさつという おくりもの」 清水彩愛(半田市立亀崎小学校)
 「おはようの あさにさいたよ えがおのわ」 小坂竣人(半田市立雁宿小学校)
 「ありがとう そう言われると こちらこそ」 浅井くるみ(半田市立成岩中学校)
 「あいさつで わたしのこころ かるくなる」 岩田麻希(半田市立青山中学校)
 「あいさつの キャッチボールを かわそうよ」 羽田早野花(半田市立成岩中学校)
 「おはようと 笑顔の天使 孫の声」 野村優子(一般)
 「おはようの こえでさくはな みつけたよ」 小坂亜紀(一般)
 「あいさつで 心と心 こだまする」 渡辺太香子(一般)

講評(全日本川柳協会 幹事 浅利猪一郎 氏)

 応募用紙に記載されていたとおり、川柳は俳句と違い季語の制約等はなく、自由に創作できる文芸です。
 しかし、「人間諷詠の文芸」と言われるように、作者の「想い」「視点」「姿態」等の人間の姿を描写する文芸であり、その一句から一枚の絵や景色が想像されるものでなければなりません。
 そういう意味で、標語とは違うということを認識していただきたいと思います。
 例えば、「あいさつは世界を結ぶ愛言葉」「あいさつで今日も広げる地域の輪」などの作品は素晴らしい言葉を用いていますが、言葉だけで終っており、景色を想像するには乏しく、どちらかというと標語と言えます。
 そして、多くの作品が「あいさつは」「あいさつで」と、上(かみ)の句で始まっているため、「あいさつ」の言葉の持つ意味と意義の説明だけで終っていたことを残念に思います。
 あいさつにも「おはよう」から始まり、「おやすみ」まで数多くの言葉があります。それらを用いることにより鮮明な情景を表現できるものと思います。
 一つの言葉を与えられた時の人間の発想というものは、ほとんど同じと思えます。今回の募集作品も大別すると5パターンほどに分類され、一字の違いもない作品が多く見られました。
 その中から独自性のある作品、読者が容易に情景を想像できる作品を選考させていただきました。
 今回の選考で一番腐心した点は、応募者が児童から一般までと広範囲であるため、どの世代にも通じる作品でなければならないということでした。
 他の大きな大会、募集川柳では、通常ジュニアの部、一般の部と区別されているために、一般の部の選考にあたっては、より川柳味の深いものを選考しますが、今回は全世代に通じる作品を中心に受賞句を決定いたしました。
 また、川柳とは独自性を持つものでなければなりません。
 いくら素晴らしい作品であっても、同想、同一表現の作品があった場合、優劣をつけることは不可能であり、受賞対象より除外されることが原則であり、今回も多くの作品が選考の対象より除外されたことをご理解いただきたいと思います。