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異質なものとの出会いで新たな強みを(平成24年10月号)

2012年9月27日(木)
異質なものとの出会いで新たな強みを(平成24年10月号)  マーケットを海外に求めて進出を加速させる企業が増えている。飲食業や流通業など、サービス産業のアジア進出も増えてきた。単に安い労働力を求めての海外進出は国内の雇用を減らす場合が多いが、消費市場として厚みを持ち始めた新興国での成功は企業の収益を増やし、国内雇用にもよい効果をもつ。
 ここで日本企業が海外に打って出られるのは、これまで培ってきた強みがあるからにほかならない。製造業の確かな技術力はもちろんのこと、サービス産業でも日本の消費者の要求に応えてきた細やかなサービスや、丁寧な味づくり、時間の正確さなどが、アジアに新たなビジネスモデルをもたらし始めている。こうした日本企業の強みは、長い間の創意工夫によってつくられてきたものだ。
 とすれば、ここであらためて考えておかねばならないのは、5年先、10年先に日本企業の強みとなるものがいま創られつつあるのか、ということだ。強みは一朝一夕にできるものではない。また、いつまでも強みが強みのままである保証はない。高い技術力をもつ家電メーカーが価格下落の著しい薄型テレビで苦戦しているように、かつての強みがいつのまにか弱みになることもある。経済環境が激変するなかで、強みを強みとして維持することは容易ではない。
 日本企業がこれから強みをもつために必要なことのひとつは、異質な分野と融合し、刺激しあうことではないだろうか。
 新たな発想は、違うものと出会うことで生まれる。日本社会には、お互いに分かり合った同質的な雰囲気を好む傾向がある。グローバル企業と言われる企業でも、意思決定は日本国内で日本的になされてきた例は少なくない。だからこそ、異質なものと出会った時にうまれるエネルギーは未知数だ。これは日本企業の潜在的な可能性だと思う。
 その意味で、社内の人材の質を変えていくことは重要なポイントだろう。海外スタッフという意味だけではなく、若者や女性など多様な人材で、社内に多様性をもちこむことが必要だ。同様に、ベンチャー企業を活かせるかどうかもきわめて重要だと思う。なぜならイノベーションは“不連続”であり、不連続な発想を持ち込むのはベンチャー企業や異質な人材だからだ。
 7月に発表された『日本再生戦略』では、エネルギー・環境、健康、農林漁業の3分野が「新たな成長をめざす重点分野」と位置付けられた。電力産業や医療・介護産業、そして農業は、これまで規制によって参入が強く制限されてきた分野だ。新たな発想によるイノベーションが十分に起こらずにきているから、逆にみれば、成長の可能性に満ちた分野と言える。したがって、これらの分野を成長分野にするには、規制改革によって不要な規制を廃止し、他産業から新たな発想や知恵を持ち込めるようにすることが不可欠だ。
 変化をおそれなければ、日本にはまだまだ成長の可能性がある。5年先、10年先の日本企業の強みや魅力をつくるために、いまこそ本腰を入れて成長戦略に取り組まねばならない。

政策研究大学院大学 教授 大田弘子

(おおた・ひろこ プロフィール)
昭和29年鹿児島県生まれ。一橋大学社会学部卒業。埼玉大学助教授、政策研究大学院大学教授、内閣府大臣官房審議官・政策統括官などを経て、平成18年内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)に就任。平成20年政策研究大学院大学教授に復帰。平成21〜23年同大学副学長。主な著作として、『改革逆走』(日本経済新聞出版社)、『経済財政諮問会議の戦い』(東洋経済新報社)などがある。


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「秋空のなか快走、レンタサイクル『ごん吉くん号』〜半田南ロータリークラブ、新美南吉記念館とのコラボレーション」(平成24年10月号)

2012年9月27日(木)
「秋空のなか快走、レンタサイクル『ごん吉くん号』〜半田南ロータリークラブ、新美南吉記念館とのコラボレーション」(平成24年10月号)  初めてお目にかかる方と名刺交換させていただくと、多くの方が「特定非営利活動法人(NPO法人)」の文字に目を止め、「市役所の方ではないのですか?」の言葉をいただきます。
観光協会の法人化で、「特定非営利活動法人」の選択がベストであったかは、後年の話題になると思いますが、「特定非営利活動法人ならでは」あるいは「特定非営利活動法人らしい」事業が芽生え始めています。

 平成18年、観光協会の民営化直後に開始したのがレンタサイクルのサービスです。自転車は篤志の方の寄付でした。自転車の置き場所、メンテナンス等課題を持ちながらも、まちなかの回遊性を高める補助金での自転車補充などもあり、7年目を迎えています。クラシティ半田を基点として貸し出しをしていますが、自転車の老朽化・台数不足はいがめませんでした。
 今夏、半田南ロータリークラブさんから新規の自転車を16台寄贈していただき、新美南吉記念館からも貸し出しができるようになりました。半田南ロータリークラブさんが新美南吉生誕100年に関わる事業展開を検討されていると耳にしたのは春先のことでした。新美南吉記念館周辺の回遊性の向上の声があり、半田市観光協会では、レンタサイクルを新美南吉記念館でも始めたいと考えていたところでしたので、その思いを半田南ロータリークラブさんに(企画書で)伝えさせていただきました。
 記念碑やオブジェの寄贈は過去にもあったことと思いますが、自転車というのは「?」だったのではないかと思います。企画書にレンタサイクルのニーズ、PR効果などを盛り込みご理解をいただきました。ロータリー財団の新地区補助事業への申請・協賛企業の募集などの準備が進められ、7月28日、新美南吉生誕99年祭の初日に、新美南吉記念館で贈呈式行い、新拠点のレンタサイクルがスタートしました。秋空に映える黄色の車体、前かごに「ごん吉くん」のイラストが取り付けられた「レンタサイクルごん吉くん号」が快走をしています。

 特定非営利活動法人半田市観光協会は、会員のみなさんからの会費、半田市からの補助金や委託事業、半田商工会議所からの助成金そして自主事業の収益で運営をしています。観光案内所などをまちなかで運営していますので、お客様のニーズなどがとてもよくわかります。しかし、それに即座に対応できる資金力があるわけではありません。かといって、できないこととして諦めるのは本意ではありません。今回は、貸し出しの拠点の整備を新美南吉記念館にご理解いただき良い形の仕組みができあがりましたが、形になるときばかりではありません、ただチャレンジする姿勢は持ち続けたいと思います。

 半田市観光協会では、知多信用金庫夢サポートの支援を受けて「ゴン(GON)アート」を進めています。また、半田市市民活動助成金の支援により「ポケットサイズの南吉さん童話絵本の作製」にも取り組んでいます。詳細は、次号で紹介させていただきますが、いずれもNPOとして、まちづくりの視点の課題の気づきが事業の原点になっています。そして、民間・行政の支援制度に支えられて事業を動き出させることができています。

特定非営利活動法人半田市観光協会 事務局長 松見直美



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半田市内の文化財探訪 その8(半田東地域)の第13回

2012年9月21日(金)
半田市内の文化財探訪 その8(半田東地域)の第13回 半田小学校
 
 「半一」という愛称で呼ばれ、その存在が町民の誇りでもあったのがこの半田第一尋常高等小学校(現半田小学校)である。
 当時、教育は地方行政団体の単位でなされていたので、自然、教育予算も他地域とは大きな差違が出た。巷でよく言われたのが「半田は先生の給料が他より高いので、先生になるための競争率が高く、先生のレベルが他とは違う」というものであった。戦後、全ての小中学校が愛知県の管轄になり人事も一括に行われるようになったので、前述のようなことは無くなった。
 財政的に豊かなことは教育環境も整うということで、既に大正時代にコンクリート校舎なるものが半田小学校には存在した。「新館」と呼ばれる校舎がそれであった。その後、更にもう一棟建設され「新々館」と呼ばれていた。
 校長も碧海郡や愛知県で視学官を経験したベテランの実力者を半田町は獲得していた。今でも年配に方々の記憶に残る「マセカン」こと「間瀬勘作」先生が校長に迎えられて先進的な教育を行っていたのである。
 文武両道にすばらしい活躍をした半田第一尋常高等小学校は当時の半田町そのものであったともいえるのである。



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◆◆◆10月はがん検診推進月間です◆◆◆

2012年9月6日(木)
 半田市では2月までがん検診を行っています。今年度からセット検診も始まりました。9月10日から10月〜2月分の受付が始まります。年度末になると予約状況により受診できない場合がありますので、早めに受けてください。
検診場所:市内実施医療機関及び半田市医師会健康管理センター
予約受付開始日:9月10日(月)〜
予約先:実施医療機関

日本の死因1位は悪性新生物(がん)です。がんは生活習慣や遺伝等により発症します。2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで命を落としています。がんは早期発見・治療により治る時代を迎えています。

◆◆◆住民健診について◆◆◆
 9月24日から住民健康診断が始まります。また、医師会健康管理センター(9月24日:雁宿支所、9月29日:神田町)では、無料で20歳代女性乳がん検診を実施します(要予約・申込み先着順)。

年に1度は健康診断・がん検診を受けましょう。
*詳しくは市報(9月1日号)かホームページをご覧ください。
保健センター


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「○と◇のおもてなし〜第7回はんだ山車まつり〜」」(平成24年9月号)

2012年8月28日(火)
「○と◇のおもてなし〜第7回はんだ山車まつり〜」」(平成24年9月号)  7回目を迎える「はんだ山車まつり」まで一カ月となり、実行委員会を中心に追い込みの準備が進んでいます。NPO法人半田市観光協会として、初めて迎える「はんだ山車まつり」です。5年前の「第6回はんだ山車まつり」は、民間移行して初めてでした。観光協会の拠点である「小栗家住宅・蔵のまち観光案内所」にも多くの方にお立ち寄りいただき、「まつり情報」「グルメ情報」などをお伝えしました。
 過去の経験に新たな視点を盛り込み準備が進んでいますが、観光として大きなチャレンジが動いています。JTB中部団体旅行半田支店による「桟敷席」の旅行商品化です。商品造成は、JTBグループのみが行うのではなく、JTBが桟敷席予約・観光バスの受け入れなどの仕組みを作り、ほかのエージェントさんにもアピールし、他の観光地と組み合わせた旅行商品が様々な旅行社から販売されています。半田支店では、商品としての特色出しに知恵を絞る日々が春まだ浅い頃から続いています。半田市観光協会も、エージェント向けの企画説明会から並走をさせていただいています(数歩後ろを追いかけさせていただいているのが現実ですが・・・)。
 JTB中部団体旅行半田支店のみなさんで過去の「はんだ山車まつり」を経験している人はいないということです。半田市観光協会職員も、経験者は極わずかです。運行・エリアの配置が確定し、実行委員会の承認も行われた7月中旬、合同で「はんだ山車まつり」の勉強の場を持ちました(講師は、「はんだ山車まつり」の経験豊富な市の職員さんにお願いしました)。「第7回はんだ山車まつり」の見所、時間帯による人の流れなど、おさらいを含め確認をしました。
 スタッフのおもてなし体制づくりを進める一方で、市民のみなさんの力をお借りしたおもてなしの準備も進めています。7月初旬から「はんだまちづくりひろば(事務局:クラシティ半田3F半田市市民交流センター内)」に登録する6つの団体(※)のみなさんが、「ミニ座布団づくり」に取り組んで下さっています。総数1600枚の○型・◇型のミニ座布団は、10月6日・7日、ツアーでお越しいただく桟敷席へのお客様にプレゼントさせていただくものです(JTBのみなさんの“桟敷席にぬくもりを”の声からスタートしました)。限られた予算の中、団体のみなさんに用意できたのは、キルティングの布のみです。裏地は団体のみなさんの手持ちのものや寄付でいただいた端切れ・和服地など様々です。それぞれの団体のみなさんが汗と知恵を絞って縫い上げています。メッセージとともに袋に入れる作業は、夏の職場体験やインターンシップの高校生・大学生の力も借りています。
 「はんだ山車まつり」では、クリーンボランティア・手話ボランティア・語学ボランティアなど、当日の運営で多くの市民のみなさんに協力をいただいています。「第4回はんだ山車まつり」の翌日のクリーンボランティアから始まり、第5回からは今のような多彩なボランティアメニューが登場しました。「できることを市民の力をつないで」の趣旨をご理解いただき、今回も多くの方に手を挙げていただいています。
 しかし、今回のように事前に団体のみなさんに「おもてなしグッズ」を製作していただくのは初めてのことです。調整役の「はんだまちづくりひろば」の職員さんからは「メンバーが高齢化し、当日のボランティアは難しいけど、日常活動の中でできることなら」と、とても謙虚な言葉があったと聞いていますが、遠方からのお客様のおもてなしの一翼を担って下さったみなさん、ありがとうございます。
 「第7回はんだ山車まつり」への来訪がきっかけとなり、来年の「新美南吉生誕100年」あるいは普段の半田・知多半島の姿を観ようと思って下さる方が一人でも多くなることが「観光」に仕事として取り組む者の使命です。それをご理解いただき、支えていただいていることにあらためて感謝をしたいと思います。                 
※団体名…亀の会、半田市更生保護女性会、半田市子ども会連絡協議会、半田市母子寡婦福祉会、(社福)半田身体障害者福祉会きずな、ボランティアグループ ポケット  

特定非営利活動法人半田市観光協会 事務局長 松見直美


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われわれはどこへ行くのか(平成24年9月号)

2012年8月28日(火)
われわれはどこへ行くのか(平成24年9月号)  印象派の画家ゴーギャンの代表作に「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」があります。彼が晩年に定住したタヒチは、その作品によって、南太平洋の楽園として世界に紹介されました。丁度その頃、日本は富国強兵を国是として日清・日露戦争を勝ち抜き、列強の端くれに名告りを上げたばかりでした。欧米に負けてはならじと、坂道を喘ぎ喘ぎ上ってきて、やっと高みに辿り着いた時期でした。
 世界の歴史を振り返れば、日本が遠くヨーロッパにまで知られるようになったのは、マルコ・ポーロが「東方見聞録」に、東の涯に黄金の国ジパングありと書いてからです。それは大モンゴル帝国がユーラシア大陸を席捲し、空前の大帝国として君臨していた時代でした。その後、世界の覇権は16世紀のスペインを皮切りに西欧諸国を経巡り、大英帝国にアメリカが取って代わったのが我々が生きてきた20世紀でした。そして21世紀に入り、いよいよアジアの時代だと言われはじめたこの時期に、我が国は世界に冠たる借金大国に成り果ててしまいました。今や「われわれはどこへ行くのか」と途方に暮れるばかりです。
 ところで、近頃ではあまり使われなくなりましたが、「高ころび」という言葉があります。下から上まで分不相応に駆け上った者が、一転して転げ落ちて行ってしまうことです。日本は戦前は軍事大国として、また戦後は経済大国として登り詰めたものの、この高ころびを繰り返してしまいました。その原因は、過信・慢心にありましょうが、見落としてはならないことは、明治の日本を主導した人たちは、富国強兵を一体のものとして捉えていてバランス感覚を堅持していたのに対して、高ころびを二度も繰り返した昭和以降の人たちは、軍事力だけに、また経済力だけに偏りすぎて、結局は転落してしまったという事実です。何事にせよバランスを欠いたのでは早晩崩れ落ちることは必定です。
 それはさておき、東シナ海をはじめ四海に波風が立ちつつある現在、再び富国強兵策を取るべきだと言えなくもないでしょう。しかし、それは一面的なパラドックスであり、国是とはなりえないでしょう。何故なら、世界の人口の激増が止まらない中で、少子高齢化により人口の減少が続いていく日本は、もはや富国強兵策が成り立つ前提を欠くからです。若者と老人の数のバランスを崩してしまった国には、採るべき方策は限られてしまいます。坂道を上ろうにも、ずっしりと背負い込んだ重荷に耐えかねてズルズルとずり落ちて行き、それを横目に後から上ってきた者が次々と追い越していく、というのが今描かれつつある近未来の日本の姿です。これを元の姿に戻すのは至難の業です。
 ここでじっくりと考えてみるべきことは、ゴーギャンが画いたタヒチの人たちは、恐らく、自分たちがどこから来てどこへ行くのかとか、自分たちは何者なのかということなど、考えもしなかっただろうということです。それでいて彼らは、タヒチを南太平洋の楽園として暮らしていたのです。タヒチに来てそれを思い、作品に画いてそれをタイトルにしたのはゴーギャンその人なのです。自然と調和しながら、何世代にもわたり平穏な生活を続けているタヒチの人たちに、彼は人間社会の在り方の原点を見たのだと思います。
 岐路に立つ日本に暮らす私たちも、自分の原点を今一度問い直してみるべきです。千四百年前に、聖徳太子が「和を以て貴しとなす」と明確に指針を示されて以来、私たちの祖先は、人に対してばかりか山川草木に対してさえも、この精神を生かし伝えてきました。その過程で育まれてきた様々な有形無形の文化こそ、私たちの貴重な財産です。
 弱体化しつつある国力を再生するには、弱点にメスを入れることも必要ですが、強みを生かすことも大切です。我が国には各地域毎に微妙に異なる風土があり、そこに暮らしてきた人たちが、それぞれ独自の文化を築いてきました。そこに通底するのは和の精神です。この連綿と受け継がれてきた和の精神を軸とする多種多様な文化を、そこに暮らす人たちの心の豊かさが自ずと滲み出ているものへと磨き上げていく、そこに私たちは活路を見出していくべきではありませんか。
 私たちは、これからどこへ行くのか、そこで何をするのか、それは自分の意志で決めればよいことです。ただ、帰巣本能とも言うべきものを失ったのでは鳥獣にも劣ります。豊かな心の故郷こそ私たちが来たところであり、また帰って行くべきところなのです。


半田商工会議所 副会頭 筒井保司((税)経世会 代表社員)


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半田市内の文化財探訪 その8(半田東地域)の第12回

2012年8月17日(金)
葉住座(地域の文化と娯楽の源「芝居小屋」)
 
 郡役所前から西進し、半田小学校へ向かって右へ曲がるあたりで武豊線の線路が見える。その線路の西北あたりに「葉住座」と呼ばれる芝居小屋(戦後は映画館)があった。
名前の「葉」は業葉神社の「葉」、「住」は住吉神社の「住」で、上半田と下半田双方の住民の役に立とうというものであった。芝居や映画のことはさておき、ここでは亀崎の「相生座」の説明でも触れたように、社会主義を当地の無垢な住民に浸透させる事をねらった大演説会が催されたことがある。
明治41年(1908) 東京からはるばる招かれた片山潜と鈴木楯夫を中心とする社会主義者達が、当地の中産階級を対象に天皇制反対を暗ににおわせる社会主義思想をぶち上げたのである。聴衆は亀崎よりも少なかったものの250人も集まっている。
 この演説会を企画し東京から当時の超一流の社会主義思想を持つ演者を招いたのは後に天皇に爆弾を投げつけて殺すか負傷させ、天皇も我々と同じ生身の人間なのだということを民衆に知らせたいと一途に考え、それを実行に移そうとした宮下太吉であった。彼は亀崎鉄工場の工員であったが、高浜の花火職人と懇意になり爆弾造りに役立つ火薬の調合を学んでいたという。
 郷里(長野県明科)に帰って爆弾を完成させた頃、それが官憲の知るところとなり一味の全員が逮捕され、そのうち幾人もが死刑になった「大逆事件」の極端な首謀者が彼なのである。
 しかし、この事件の発生によって我が国社会主義の萌芽は完全につみ取られ、軍部による専制国家への道をたどることになるのは皮肉なことである。


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◆◆◆節電の夏◆◆◆

2012年7月30日(月)
 今年の夏も昨年同様に節電が重要視されています。夏の節電は、できるだけ電気を使わずに暑い時間を過ごすことがポイントです。日本には、高温多湿の夏を涼しく過ごす知恵がたくさんあります。「新」「旧」の知恵で夏を快適に過ごしましょう。

【古くて新しい習慣】

@緑のカーテンを育てる

窓などの外側に、ゴーヤや朝顔などのつる植物を植えると、暑くなる時期に成長して日陰をつくり、日射を遮る効果が生まれます。また植物はそれ自体が水分を含んでいるため、その蒸散による気化熱の効果(水分が蒸発する際に周囲から熱を奪う効果)も期待できます。

Aすだれで日陰を作る

窓や引き戸などに、すだれ、よしず、カーテン、ブラインドを設置することで日射を遮ることができます。特に、窓の外側に設置するすだれやよしずは、室外で日射を遮るので、室内への熱の侵入を防いでくれます。

B打ち水をする

朝や夕方にバルコニーや庭などに雨水やお風呂の残り水などで打ち水をすると、水が乾くまでの間、気化熱の効果によって溜まった熱を逃がしてくれます。特に、熱を溜めやすいコンクリートやアスファルトへの打ち水は効果的です。

Cゴザや籐を利用する

ゴザや籐は表面に凹凸があり、カーペットやフローリングに比べ体が触れる面積が少ないので熱が逃げやすく、座ったり寝転んだりしたときにより涼しく感じます。

【五感で涼を感じる】

風鈴の音、寒色系のインテリア、アロマの香りなど、五感に訴える演出は気分的にも涼しくなり、暑さを和らげる効果が期待できます。

※過度の節電は熱中症などの危険性があるため、注意が必要です。
無理せず、できる範囲内で節電に協力しましょう。



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半田商業高等学校3年生が挑戦!「もう一つの甲子園をめざして」(平成24年8月号)

2012年7月30日(月)
半田商業高等学校3年生が挑戦!「もう一つの甲子園をめざして」(平成24年8月号)  盛夏…「甲子園」といえば、高校野球を連想されることと思います。半田市出身で甲子園の高校野球に出場し、その後プロ野球で活躍された方もいました。真っ黒に日焼けをし、大きなバックを担いだ少年たちの姿は今も昔も変わりません。
 今夏、愛知県立半田商業高校3年生14名が「甲子園」を目指しています。彼女たちが目指しているのは、神戸夙川(しゅくがわ)学院大学で8月26日に開催される「観光甲子園」です。2009年にスタートし、今年で4回目を迎える「観光甲子園」【大会組織実行委員会と神戸夙川学院大学(観光文化学部)との共催】は、“観光プランで日本一を競い合うコンテスト”です。全国の高校生が対象で、テーマに沿って学校単位で3名以上を一組としたグループでプランニングをし、応募するもので、予選(書類審査)を勝ち抜いた10校(10企画)が本選へ進めます。
 半田商業高校では、数年前から「知多半島観光計画」「お土産品店舗紹介」「半田のまち歩きコースづくり」など観光視点の授業に取り組んできました(3年生が小グループで取り組む課題研究という授業です)。そして、今年度も複数のグループがステップアップした企画に取り組んでいますが、その中の1グループが「第4回観光甲子園」出場を目標に掲げました。14人は、半田での起業・企業進出を考える方々を対象にした「地域の魅力を再発見できる知多半島周遊ツアーづくり」に取り組み、7月初旬プランシートを創り上げ「第4回観光甲子園」にエントリーをしました(※)。8月26日、神戸夙川学院大学で「愛知県立半田商業高校」の名が呼び上げられることを祈りたいと思いますが、14人のゴールはこの日ではありません。
 高校生が考えたツアープログラム(日帰りと一泊2日の2コース)は、「観光甲子園」の結果に関わらず、開TB中部団体旅行半田支店において11月〜12月に実施されます。ツアー催行を充たすよう参加者募集のPRを行うのをはじめ、ツアー当日は高校生自身が半田のまちを案内するメニューもあります。その準備として8月5日に実施される「ふるさと検定」を受験します。また、「空き地・空き店舗の補助制度」など、起業・開業の支援策についても調べています。
 今年の春先から、開TB中部団体旅行半田支店を中心に、半田市商工観光課、半田商工会議所のみなさんと一緒にサポートをしてきました。引き続き、ツアーの受け入れ、PRの場の開拓等で多くのみなさんにお世話になっていくことと思います。地元で観光につながる分野で働く可能性を秘めた若者が一人でも(多く)育っていくことを願うとともに、このツアー参加者から半田にチャレンジの場を求めてみようと思う人材が登場することを期待したいと思います。それには、サポートする大人たちの想いも試される(問われる)ことをひしひしと感じ、汗をかく2012年の夏です。

※7月18日、全国76校から応募があった158案の中から、本選へ進むことが決まりました。

                特定非営利活動法人半田市観光協会 事務局長 松見直美


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○ 観光甲子園WEBサイト http://www.kobeshukugawa.ac.jp/kanko-koshien/
○ 愛知県立半田商業高校のみなさんは、「第8回かわしんビジネス交流会」(10月12日・13日、豊川市総合体育館で開催)に半田信用金庫さんのサポートで参加し、今回の取り組みを紹介、ツアー参加者の開拓を図る予定です。



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大震災後の地方のヴィジョンを描け(平成24年8月号)

2012年7月29日(日)
大震災後の地方のヴィジョンを描け(平成24年8月号)  東日本大震災から一年以上が経過した。昨年の今頃は早急な復興がいわれ、政府の復興会議による答申もだされた。そして、その後、どうなったのだろうか。
 復興の道筋がどのようになり、どれだけ復興したのか、ほとんど見えてこない。この復興はただ東北だけのものではなく、日本全体の今後の姿を先取りするものである、などといわれた割には、その姿はまったく見えてこない。
 一年あまりたって改めて振り返って、この大震災はわれわれにいかなる教訓をもたらしたのだろうか。こう考えてみると、いささか虚しくもなるのではないだろうか。
 この一年あまりの目立った動きは何だったであろうか。管首相から野田首相への首相交代と消費税の増税、そして大坂における橋下旋風ぐらいである。原発は再稼働問題で迷走し、先に述べたように復興の道筋も見えない。
 この大地震のもたらしものはたいへん大きい。それはまずなにより、日本が巨大地震の巣の上に立地した特異な国だということを改めて知らしめたのであった。しかも、今後、首都直下型も含めて巨大地震が連続する可能性がきわめて高くなった。となれば、もっとも緊急の課題は、危険が予測される地域の防災であり、首都機能の移転である。これらは、大規模な公共投資を必要とするとしても、すぐにでも着手しなければならない。
 同時にまた、地域やコミュニティの安全性や人々のつながりを確保できる地域づくりであり、さらには、緊急時を含めた医療体制の整備である。地域での人々のつながりを確保するのは、第一義的には、地方行政と地方の経済界や市民の連携によるものであるが、その大きな枠組みを提示するのは中央の政府である。
 こうして大地震後に火急になすべき課題は明瞭だと思う。だがまた、これらの課題は、決して大地震の教訓ときたるべき地震へ向けた防災というだけではない。実は、それ自身、今日の日本の経済問題や政治上の課題とも無関係ではない。
 今日の日本経済も最大の問題は、長期にわたる不況であり、十数年にわたるデフレ経済である。しかも、ギリシャ財政危機に始まったEU危機は、スペイン財政危機をへて深刻な局面に推移しつつある。このような不安定なグローバル経済のなかで、日本経済を安定させ、デフレを克服するには「意味ある」公共投資しかない。
そして、何が「意味ある」公共投資かを決めるものは、将来へ向けた国家像と地方のヴィジョンを描くこと以外にないだろう。公共投資の規模は必ずしも大きくなくてもよい。そこに民間資本を呼び込めばよい。そのためには、ともかくも、防災、安全性の確保、少子高齢化による社会変化などを総合した上での国土と地方生活のヴィジョンを描き出すことが必要となるだろう。それはまた、この十数年いわれてきた地方分権を押しすすめる具体的な方策ともなるはずである。これは、防災、デフレ克服、地方分権化という三つの課題への対応ともなる。だがそのためには、それ相応のヴィジョンを描き出すことが不可欠なのである。

京都大学大学院人間・環境学研究科 教授 佐伯啓思

(さえき・けいし プロフィール)
昭和24年奈良県生まれ。東京大学大学院博士課程(経済学)修了後、滋賀大学経済学部などを経て、平成4年より京都大学総合人間学部教授。現在は京都大学大学院人間・環境学研究科教授。主要な研究分野は、現代の政治・経済を思想史の見地から分析すること。最近の著作として、『自由と民主主義をもうやめる』(幻冬舎新書)、『日本という価値』(NTT出版)などがある。


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