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年頭のご挨拶(平成29年1月号)

2017年1月1日(日)
年頭のご挨拶(平成29年1月号) 平成29年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。

 明けましておめでとうございます。
 平成29年新春を迎え、謹んで会員の皆様のご多幸と繁栄をお祈り申し上げます。昨年11月に会頭に就任させていただき、改めて重責を痛感し身の引き締まる思いであります。各団体並びに半田市を始めとする官公庁ともベクトルを同じにして、当地域の企業繁栄を目指し、全力で会議所運営にあたる所存です。わが国の経済も日銀の金融緩和政策等が功を奏し、 株価等には回復の兆しが幾分見え隠れしていますが、まだまだ中小企業までが元気になった感は見えてきていません。

 私は会頭就任にあたり、五つの方針を掲げました。

 一つ目は「行動する会議所」です。
 会議所業務を運営していく中で多くの課題解決を求められます。そのためには、まずは正副会頭が先頭に立ち、女性と若手を積極的に登用する中で、会員の全員参加と行政等各種団体と協力のもと行動していく所存です。

 二つ目は「会議所の原点である中小企業の育成」です。
 地元中小企業の発展なくして商工会議所の発展はありえません。地域活力の源泉である元気な中小・小規模事業者の育成に力を注いでいきます。昨年締結した市内金融機関等との業務提携の活用と推進強化を図り、より有効な支援を進めます。

 三つ目は「会員ファースト」です。
 会員による会員のための会議所を目指し、“半田商工会議所の会員でよかった”と思っていただく活動を旨とします。皆様方からの会議所への要望・相談に耳を傾け、真摯に対応すると共に、補助金等の申請相談・手続等の支援に力を注いでいきます。

 四つ目は「観光振興」です。
 本年10月7・8日に開催される「第八回はんだ山車まつり」。このほど亀崎潮干祭がユネスコ無形文化遺産の一つに登録され、地元の機運も高まっています。半田市の誇る有形・無形の文化財を広くアピールするチャンスであり、地元経済に効果をもたらすための支援、協力を積極的に進めて参ります。

 五つ目は「地域の活性化(まちづくり)」です。
 クラシティも念願のリニューアルオープンを控えています。まちづくりの中核施設であり、名実ともに半田市の顔となるよう、中心市街地活性化のための活動と協力体制を当所も牽いていきます。

 昨年、当所では「会議所中期ビジョン」を取りまとめました。具現化に向けた行動計画を策定するため、委員会組織も「組織運営」、「にぎわい創出」、「企業問題対策」、「人財育成」の4委員会に再編し検討を開始しました。部会、青年部、女性会と共に一丸となって地域社会の活性化に向けて“元気”という財産づくりを支えていく所存です。引き続き、会員の皆様、関係各位の一層のご支援とご協力を賜りますよう、お願い申し上げまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

半田商工会議所 会頭 榊原康弘(知多信用金庫 理事長)


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これからの経済動向と企業経営戦略〜世界に開かれた知多半島 経営戦略と人材づくり(平成28年11月号)

2016年11月1日(火)
これからの経済動向と企業経営戦略〜世界に開かれた知多半島 経営戦略と人材づくり(平成28年11月号) 【平成28年9月23日(金)開催 金融機関業務提携記念講演会より】

 産業界や企業において、これからのモノづくりを一言で表すと「モノづくりプラス」で、モノづくりを分けてつなぐということが鍵になる。例えばアップル社は収益率が高い「製品開発」や、「アフターサービス」を自社で関わり、組み立て部分は中国や台湾の企業でやっている。これから先、大事になってくるのはアフターサービスで、日本は今まで全てを1社でやっていたが、今後はモノづくりとサービスをどうやってつないでいくかが勝負どころとなってくる。  
 ある中堅企業が鉄道のレールのゆがみを計測する機械を開発し、この機械を用いて自社で測定しデータを集積しながら、鉄道運営会社に修理方法をアドバイスしている。販売は一度きりの収益だが、この発想で仕組みを変えていくと収益が継続していく。今はモノを作る、性能のいいものを作るということだけに集中するのではなく、使い方、使われ方にサービスをつないでいく。そのような取り組みが今、あらゆる分野で実践されている。
 また、各企業を横につなげ、ひとつになりましょうと試みている会社もある。航空機分野では、機体メーカーから発注を受け、ひとつになった企業体が、加工、表面処理を行い組み立てて製品を納める。こうすると、ひとつになった固まりが、他からもまとめて受注できる力が備わってくる。三重県松阪市では中小企業9社が集まり一つの共同工場を作っている。鈑金・機械加工等の色んな人たちが集まって事業共同組合を作り、航空機メーカーから受注している。このような仕掛けを作り横につなげ、1社ではなかなか受注出来ない海外のメーカーからも将来は仕事をとれるという可能性も出てくる。
 農業、アート、観光など各業界でつなげていく仕組みを試みているが、ビジネス面についてお話すると、2019年秋にセントレアに国際展示場(6万平米)が完成する。世界の見本市会場の世界基準は10万平米。シンガポールを例にとると、ホテルやミュージアム、エンターテーメントの施設があって、そこに大規模の展示場がある。これがパッケージになっている。そこには見本市に行く人、国際会議に行く人、ビジネス客がお金を落としてくれる。終わった後は観光もしてくれる。見本市会場はビジネス客を観光客としていかに長く滞在させる仕掛けで完結する。この発想が大切で、大展示場が出来上がったら、必ず知多半島はどう売り込むかということとパッケージになっている。
 また、2012年に名古屋で国際航空宇宙展を開催したが、海外のお客さんからは金城埠頭まで行くのが大変という声が沢山あった。航空宇宙展は、滑走路がすぐ傍にあるのが効果的ので、この地域に呼び戻さなきゃあ。そしてその後、観光につなげる。そういう仕掛けが大切だと思う。
 人材については、いずれの企業も苦労している。最近重宝されているのは、海外に日本企業が進出していくために、人材を育成するためのインターシップ制度である。例えば各国の商工会議所のような組織に在籍する。その在籍先の名刺で仕事をしながら、人脈をつくる。すると企業進出時の立ち上がりが早く、かつ進出時から人脈がある。このような制度は活用したもの勝ち。何かトラブルがあっても、日本政府がバックについているから大丈夫である。その逆もあり、日本に来ている留学生を受け入れるケースもあり、中には将来の戦力になる人との出会いもある。こういう仕掛けを積み重ねていき各企業でつないでいく。例えばA社はミャンマーに行き、B社はベトナムに行き、お互いの強みを共有し合うことも可能となる。結果的にベトナムにもミャンマーにもパイプが出来る。そのような仕掛けを作ることが必要である。
 時に、異質なものをつなぐことも大事である。例えば友人・知人でない者と一緒にスポーツジムに行ったり、ゴルフをしたりする。異質な者との会話の中でアイデアが湧く。このface to faceは極めて人間的な世界で、これがアイデアを生み出す源泉ともなる。言い換えると、ネットワークの力、異質なものをと出会う力、これがイノベーションのポイントになってくるとしみじみ感じる。オフィスもそうで、単に作業するだけでなく、アイデアを生んでいく場所にしないと駄目だという意識が高くなってきている。その結果、今までは効率的に作業するための机の配置だったが、団らんが起こるような場所を作ろうと無駄な空間をわざと作っている。更に言えば東京・大手町には色いろな会社の人が入れる場所を作り、そこで色いろなイベントを行う。出会いは異質な人がいい。シリコンバレーはそこで働く人々の3分の1以上は外国人であり、異質な人の集まりが強みとなっている。企業、地域社会もしかりである。異質なものとのコミュニケーションいかに会社のためになるか。いかに地域社会の中に異質なものを引き込み、生きのいい地域を作っていくか。異質なものとの出会いを作り、つなぐことが大切である。


中部大学特任教授、愛知県政策顧問、元中部経済産業局長 細川昌彦

(ほそかわ・まさひこ プロフィール)
1977年東京大学法学部卒業。77年通商産業省入省。2002年ハーバード・ビジネス・スクールAMP修了。03年中部経済産業局長。04年日本貿易振興機構ニューヨーク・センター所長。11年(独)スポーツ振興センター参与。


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憎悪が渦巻く世界・西欧思想の再吟味(平成28年10月号)

2016年10月1日(土)
憎悪が渦巻く世界・西欧思想の再吟味(平成28年10月号)  世界の歴史を遡って概観しますと、所謂大航海時代以後は、白人で、キリスト教徒で、ヨーロッパか北米に住んでいた人たちの世界制覇の歴史だと言えましょう。彼らが政治・経済・軍事力で他を圧してきただけではなく、科学、技術、芸術や哲学・思想など多方面でリードして現在に到っていることは否めません。
第一次世界大戦が終った1918年、シュペングラーは「西欧の没落」で西欧文化の没落を指摘し、内外に大きな衝撃を与えました。しかし、欧米の学者の反応は、否定か無視でした。それから100年後の今日、世界は憎悪の連鎖に覆われており、もはや彼らの考え方ややり方では、物事は巧く回らなくなってきています。
一例を挙げれば、地中海を渡って殺到する何十万の難民の問題です。その中にはテロリストもいるようですから、受け入れる側にとっては、既に博愛とか人権などという綺麗事では済まなくなっています。そもそもこの大量難民発生の原因は、5年前の中東の民主化運動の失敗にあります。当初は欧米から「アラブの春」などと絶賛されながら、結局残ったのは流血と破壊と大混乱だけでした。
何故こうなったのか、やはり数百年来殆ど批判されずにきた西欧思想による近代化・民主化の行き詰まりでしょう。そこで、モンテスキューやルソーなどの啓蒙思想に影響されたフランス革命にまで遡って考えてみます。民衆が蜂起して旧体制を打倒し、新時代の扉を開いた歴史的大事件とされているからです。
1789年に始まった革命の大混乱のさ中、国民議会は人権宣言を採択し、「人間は生まれながらにして自由であり、権利において平等である」と高らかに謳い上げました。それから今日に到るまで、人権思想や民主主義思想は、遍く人々の指針となりました。しかし、ここで間違えてはならないのは、民衆は、人権宣言が先にあってその実現を求めて蜂起したのではなく、階層間の対立や国家財政の破綻による増税、前年の凶作などによる不平不満が爆発し憎悪となり革命に走ったという事実です。
そこで問題としたいのは、そのときドイツでフランス革命の報に接したカントとゲーテの反応の違いです。カントをはじめ殆どの識者がこれを賛美したのに対し、ゲーテは只一人一貫して懐疑的・否定的でした。歴史上屈指の明晰な頭脳の持主の見解が割れたのです。これは重く捉えて然るべきですが、歴史家は、ゲーテを冷めた保守主義者と決めつけて終わりにしています。私は、これは人間に対する洞察力の違いであり、カントは、理想主義的に見て性善説的に判断したのに対し、ゲーテは人間は善にも悪にも染まるものだと捉えたのだと推測します。
私はこのゲーテの眼力を支持します。何故なら、例えば人権宣言は人間に何の限定もつけていません。だから人間として生まれた限りは誰もという解釈です。しかし現実にフランスの支配地域で奴隷がなくなるのは何十年も先だったことからすれば、この時点で奴隷は人間として見られていなかったことになります。いずれにせよ、無限定だったからこそ普遍化したのでしょうが、またそのために、先述の難民問題のような新たな難問が発生するのです。比喩的に言えば、彼らは人の世の天国を言葉で示したのですが、そこへ行くには常に地獄を見たのです。
近代西欧思想の綻びを直すには、その父とされるデカルトの「われ思う、ゆえにわれ在り」という自我の確立の問題から正さなければなりません。しかしそれは後世の天才の仕事です。ただ既に釈尊が「われという観念」、「わがものという観念」を排除すること(無我説)を説かれています。その釈尊は、人間の苦しみからの解脱の道を示されたのですが、貪(むさぼり執著すること)、瞋(憎み怒ること)、癡(無知迷妄)を特に人間の三毒として、それを捨て去ることを説き、その方法を示されました。(詳しくは「ブッダのことば」ほか(中村元訳、岩波文庫)参照)
貪瞋癡が蔓延する末世です。マスコミやあのトランプ氏のように憎悪を煽るのではなく、私たちは憎悪を捨てる努力から始めようではありませんか。

半田商工会議所 副会頭
税理士法人経世会 代表社員 筒井保司


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シルバーデモクラシー(平成28年9月号)

2016年9月1日(木)
シルバーデモクラシー(平成28年9月号)  選挙のたびに、シルバーデモクラシーという言葉が聞かれます。民主主義は多数者の声が通りやすくなる制度です。多数を占める高齢者にばかり寄り添う政治が行われるとしたならば確かに問題です。
 高齢者は、現役世代や若者とそんなに政策志向が違うのでしょうか。高齢者といっても経済力は様々ですし、地域差もあるでしょう。ところが最近になって明らかになってきたのは、やはり人生の季節によって、変化に対する考え方は相当程度異なるということです。
 現状からの変化を問うような、一つのイシューに絞った投票を見ると、その差は明らかです。英国のEU離脱をめぐる国民投票では、若者と高齢者の政策志向が全く異なっていることが浮き彫りになりました。若年層では、EUにとどまり自由な経済活動から果実を得たいという意見が多くを占めていたのに対し、高齢者は圧倒的多くがEU離脱を望んだからです。すでに財産を含め守るべきものを築き上げた世代は、衰退に向かう現状維持でも逃げ切れるということがその背景にあります。
 他方、日本で際立ったシングルイシュー投票は、2015年の大阪都構想をめぐる住民投票でした。出口調査からは、70歳以上の住民だけが際立って反対傾向が強かったことが窺われ、否決の決め手となりました。大阪市の世代別人口構成のバランスは各地域に比べれば理想に近く、若年人口がそれほど少ないわけではありません。けれども、世代間の意見の差はあまりに明らかでした。
このように、投票行動の差が、注目を浴びた投票において「見える化」されると、波紋を呼ぶことになります。シルバーデモクラシーが問題である所以は、せんじ詰めれば、不公正が生じてしまうからです。近代民主主義の根っこには、負担と給付の均衡があります。このバランスが崩れると、「割を食う」集団が現れ、民主主義を長期的安定的に持続させることができないのです。
ことが単純でないのは、ここに福祉国家の理念が重なってくるからです。福祉国家という制度は、負担と給付のバランスという発想を、「能力に応じて負担し、必要に応じて給付する」という発想で修正したものです。そして、近代化の過程では高齢者は弱者であることが多かったため、現行の福祉制度は高齢者を弱者と仮定して制度設計されています。
結果として起こったのが国民の負担能力を超えた福祉の膨張であり、強者としての高齢者による既得権保護要求です。実際、日本でも長らく社会保障改革が叫ばれていますが、現役世代の負担増は進んでも、高齢世代の給付減は少しずつしか進みません。
問題解決に向けては、様々な構想が掲げられていますが、世代によって一票の重みを変えるなどの人工的な手立てが良いとは思いません。また世代間の対立を煽っても、問題解決はしません。解決の前提は、むしろ問題の所在を明確にすることです。例えば破綻しそうになっている年金制度を救うためには、能力に応じた負担と必要に応じた給付の原則に立ち戻る必要があります。「年金は世代間の助け合いである」というような誤魔化しをまずやめることが大切です。そうして初めて、投票のもととなる政策の議論の土台が整うことになるでしょう。


東京大学 政策ビジョン研究センター 講師 三浦瑠麗

(みうら・るりプロフィール)
東京大学講師、国際政治学者。政治経済や外交を論じたブログ「山猫日記」を主宰。 http://lullymiura.hatenadiary.jp/
著書に『シビリアンの戦争』岩波書店(2012年)、『日本に絶望している人のための政治入門』文春新書(2015年)。フジテレビの24時間インターネット放送『ホウドウキョク』
http://www.houdoukyoku.jp/
の大型ニュース解説番組「あしたのコンパス」木曜アンカー。共同通信社「報道と読者」委員会委員。


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一実務家教員から見た最近の学生(平成28年8月号)

2016年8月1日(月)
一実務家教員から見た最近の学生(平成28年8月号)  約30年余りの間公務員の道を歩んだのち、第二の人生として教職に携わってから2年が過ぎた。ここ南山でのキャンパスライフは殺伐とした官庁と異なり、服装等ファッショナブルで自由かつ若々しい雰囲気に満ち溢れており、ビジネス街とは全くの別世界である。
 私の大学時代を振り返ると、高校時代までの受験勉強から解き放たれ、時間を読書や学友との議論に費やす等のんびりしており、また、授業の内容は高校時代までの表面的・画一的な知識と違った奥深い視点が数多く、この時期は社会・経済や自分の人生を考える上で貴重な機会であったと思っている。
 ところが、最近では、当時の状況とは異なり学生の中に齷齪(あくせく)した生活を送っている者がかなり多い。彼らは将来の社会人への準備として比較的早い時期からインターンシップ等の就職に向けた準備活動や公務員等を目指す学生は専門学校の勉強で受験対策を行うなど、大学での授業以外にかなりのエネルギーを費やしている状況にある。
 とりわけ、4年生は大変である。民間での本年度の就職解禁日が6月とされてはいるものの既に早い段階から説明会等は始まっており、各企業ともITを用いての案内により予約を受け付けていることから、学生はこれに迅速に対応する必要に迫られ、さらに、多数の企業が複数回にわたって説明会等を行うことから、学生にとって4年生の春季は就職活動に振り回され、授業どころではない。
 ところで、このような学生生活を送る中で学生が最も重宝しているのがスマホである。私が指導担当として受け持っている学部各学年と大学院生合計100名近い学生の全員がスマホを所持している。スマホは迅速な情報収集、連絡等の面おいて有益で、前述の就職活動を行うに際しても必需品で、授業中でもスマホを平気で使っている。例えば、あるゼミの時間中にこちらから何か質問しても、考えずに即時にスマホで調べ、その内容をそのままスピーディに解答する学生が何人かいたことには驚かされた。情報化社会といわれる中、情報を迅速に収集することは評価できるものの、情報の内容・的確さを自己の考えでもって検証しつつ判断出来るのか気になるところである。
 先般、ある2つの別のゼミで、消費税の税率引上げに関する議論がなされた。1つのゼミでは、消費低迷といった経済状況に伴う消費税率10%の2年半延期の是非について、全員が肯定的で、中にはそもそも引上げを行うべきでない旨の意見も存在した。一方、数日後、別のゼミで、我が国の社会保障費の現状と将来の見込み及び諸外国の消費税率(欧州を中心に20%程度が大半)を示した上で、どの程度の消費税率が適切であるかの問いかけに対して、各班とも概ね10%から20%まで引上げが必要との意見であり、両ゼミで異なる方向の結論となった。この状況に関し、最近の学生は何かの結論を出す際、参考となる情報が明示されればそれを踏まえつつ、逆に示されない情報については特に深く意識しないで結論を出すといった傾向があるのでは考える。
 実務家教員として、少子化が進展する中、学生に対し将来の社会を担う人材として、思考能力、コミュニケーション能力、プレゼン能力を育成したいとの思いは強いが、まだまだ道半ばと感じざるを得ない今日この頃である。



南山大学経済学部 教授 岸野悦朗

(きしの・えつろうプロフィール)
1958年石川県生まれ。1981年青山学院大学法学部卒業。同年国税庁入庁後、国税庁の各部署勤務のほか大蔵省銀行局・理財局、裁判所、東北大学に出向、2014年広島国税不服審判所長を最後に国税庁退職。なお、1995年名古屋国税局徴収部次長、2000年名古屋国税局調査部長の勤務経験あり


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アベノミクスの行方と日本の将来(平成28年6月号)

2016年6月1日(水)
アベノミクスの行方と日本の将来(平成28年6月号) 現在日本の経済政策は首相の名を取りアベノミクスと言われ少子高齢化が進む先進国の中で、その行方がどのように推移するか世界中から注目されている。その中身は

1、大胆な金融政策
2、機動的な財政政策
3、成長戦略

という3本の矢が存在している。当初、一番の成果だとされたのが、1の金融政策の中で金融緩和と円安誘導の成功だった。特に円安によって輸出企業の収益が改善し、株価が上昇したことで、景況感が改善した。円安は実はドル円という側面をとっても相手国の米国からの是認がなければ実現しない話だ。この点では、米国は当初、3年間の円安を認める代わりに、その間に日本が成長戦略を実行し,日本経済が構造的改革をとげることで、アベノミクスを成功に導くという水面下の合意が日米間であったとされている。しかし、3年を経て為替は円高方向に振れ、株価も低迷する時期を現在迎えている。又、円安の効果も意外と実態経済に及ばないこともわかってきた。つまり、それまでの円高の時期に日本の生産構造が国内で生産し輸出するのではなく、労働力が豊富で需要に近い現地で生産する姿に変化していたことがその理由だ。
こうした中で、今年に入り、欧米諸国からアベノミクスが成功しないだろうという論調が増えてきた。
 代表的な記事が2月にイギリスの高級紙であるガーデアン紙がアベノミクスは結局成長戦略が実行されず、金融政策ばかりに頼った結果、いびつな経済になっていくばかりだと論じた。又、国際通貨基金(IMF) も「日本は第4の矢を放つ準備を」というレポートの中で、なぜ日本は賃金が上昇しないかという問題を正確に分析している。
 つまり、日銀が2%の物価上昇率を目指しても賃金の伸びはそれをはるかに下回るのは、大企業においては、労働組合自体が終身雇用と引き換えに賃上げ要求を抑制していることが原因の一つだとしている。又、企業側も非正規労働者を雇うのに積極的で、世界でも突出した37%という非正規労働者率となったために労働組合の組織率が低下し、賃金交渉力が喪失しているとしている。そのため、安倍首相は毎年賃金の引き上げを訴えるが、その恩恵を受けられるのは労働人口の10%程度と見られている。
 このように賃金の低い伸びは構造的な問題を抱えており、2%のインフレ期待率どころか長期的なデフレ要因となっており、それが今年上半期に徐々に顕在化してきている。
 こうしたアベノミクスの行き詰まりを打破するには、改めて大胆な発想をもとに日本経済の将来を展望する必要がある。それは一つには国内の問題として、地方と首都圏のバランスのとれた発展だ。特に、経済特区や税制優遇で地方に製造業の拠点を数多く作っていく必要がある。地方行政の視点をもう一段広域行政に上げるために道州制の再検討も必要だ。又、成長産業分野への取り組みも緊急の課題だ。今年の世界経済フォーラム(スイスダボス会議)では、現在進行しているのは、第4次の産業革命で、今後どのような分野が成長していくのかを議論している。具体的には、情報通信技術の融合,人工知能ロボット、モノのインターネット(IOT)、3Dプリンター、無人自動車、ナノ及びバイオ技術,量子コンピューター工学などが有望とされている。
 今後のアベノミクスは改めて成長戦略と地方創生を絡ませることで、バランスのとれた国土の発展という考え方をその基軸に据える時期に来ている。


早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授 オックスフォード大学大学院 訪問教授 川村亨夫

(かわむら・ゆきおプロフィール)
1951年福岡県生まれ。74年慶応義塾大学卒業。住友銀行に入り、東京、大阪、ニューヨークの国際金融部門などで勤務の後、マイアミ大学大学院、ハーバード大学大学院で国際法と国際関係論を専攻。83年国連本部に入り、事務総長室法務官、財産査察審議会議長などを経て、97年より現職。その他法務省検事特別研修講師、国土交通省首都機能移転審議会委員、2008年7月より経済産業省産業構造審議会委員。国連の法務官や銀行マンの経験を踏まえ、世界から日本を見た視点で国際政治、国際関係論を展開。米国の政官界に知己が多く、裏情報にも精通している。また、CNN、日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京の国際、政治、経済に関するコメンテーターとしても活躍中。



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中小企業と運(ツキ)(平成28年5月号)

2016年5月1日(日)
中小企業と運(ツキ)(平成28年5月号)  日本で毎年新しく設営される会社は、8〜9万社くらいあるそうですが、3年後には、そのうちの40%は倒産で消えてしまうそうです。
 世の中は、それくらい厳しいということです。しかし、5年経っても15%の中小企業は生き残っています。各々の社長様方に「生き残りの勝因は何ですか?生き残れなかった敗因は何ですか?」と尋ねますと、勝因を語る社長は、口を揃えて「運が良かった。」と話され、倒産してしまった社長も「運がなかった。」と、「運」・「運」と話されます。両者の口から出てくる「運」というのは一体どのようなものでしょうか?本質的なことはよくわかりませんが、これが意外に簡単な方法で、「運(ツキ)」というものを手に入れることが出来るそうです。松下幸之助氏は著書の中で「自分自身にふりかかるすべての出来事は、常に肯定的に解釈する。」と述べています。運の強さとは、まず自分自身にふりかかるすべてのことを、「自分には運が味方してくれる」「自分には運がついている」と捉えることにより、その人についてくるものではないでしょうか。
 解釈の方向を肯定的に捉えるか?否定的に捉えるか?によって運の強さが決定するといえるのかもしれません。「運が強い」とか「ツイている」というのは、「単なる言葉ではなく、現実の場に引き寄せる何んらかの力がある。」ということを感じます。企業経営には、フォローの風が吹くこともあれば、アゲンストの向かい風を正面から受け止めなければならない時もあるものです。そんな時これからは中小企業の皆さんは自分の会社が、少しくらい苦しくなりかけても、“まだまだ、私どもの会社は「ツイている」。”と口に出して唱えると、運(ツキ)の方から、こちらに近づいて来てくれます。
 「ツイてない」といえば、こちらに向かってきている運も180度向きを変えて、違う方向に消えてしまいます。物事を否定的に考えることは止めて、「自分はツイてる。」と肯定的に考えてみてください。
 大企業と中小企業の違いに目を向けますと、大企業の社員は制度で動きますが、中小企業で働いている社員は、社長で動きます。
大企業の大半の社員は、社長が誰であろうとどのような姿勢で仕事をしていようと関係なく、社内を動かす制度の良し悪しで、モチベーションが変わってくるのです。それに比べ中小企業は、全く違います。どんな立派な制度を用意しようが、社長が社員の方を向いて、共に前向きに進む姿勢を見せなければ、思う方向に動いてはくれません。中小企業においては、まずは社長自身がビジョンを明確にして、社長自身の言葉で目指す姿を語ることが大切です。
 中小企業には社長改革こそが一番優先されます。
 最後に、中小企業だよりの中で、東京理科大学宮永教授は「中小企業は、一社一社の規模が小さいことを弱みではなく、機動力と捉えれば大企業に出来ないイノベーションを起こすことが出来る。その為には物流・決済・インターネットというインフラの進化をフル活用することが大事。」と述べられています。
 意外と身近なところで「下町ロケット」企業が既に存在していることを期待します。

半田商工会議所 副会頭 榊原康弘(知多信用金庫 理事長)


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経済の見通しと企業経営(平成28年4月号)

2016年4月1日(金)
経済の見通しと企業経営(平成28年4月号) 【2月8日(月)開催 当所経済講演会より】

 中国、ブラジル、ロシア等の新興国が世界経済を牽引していく時代は終わり、先進国が新しいビジネスモデルで支えていけるかどうかという転換点に今きている。少子高齢化、技術革新、地球環境問題などの分野での対策が成功するか否かで、今後の方向は決まってくる。そんな状況の中で企業は、長期的な視点を持つことが重要である。少子高齢化、グローバル化、技術革新がこれからの構造変化であり、そのことを踏まえて今何が起こっているかという話を進めていきたい。
 少子高齢化によって日本経済も大きく変貌し、安倍内閣のデフレ脱却対策として命運をかけた金融緩和は、企業のあり方に大きく関わってくる。特に雇用面に大きな影響を及ぼし、日本の有効求人倍率は過去23年で一番多い。何もしなければ、これから5年間で約65万人、毎年1%強ずつ労働人口は減っていく。安倍内閣は2020年までに600兆円までGDPを上げる目標を掲げている。もし3%名目でGDPが伸びていった時に、賃金が2%しか増えなかったら、悲惨な社会になってくる。間違いなく2・3年後には深刻な人出不足に陥るだろう。物価も含めてGDP3%上げるためには、企業が毎年3%ずつ生産性の付加価値を上げていけるかということにかかってくる。これが上手くいけば、日本は少子高齢化を乗り切るビジネスモデルを手にすることが可能だろう。本当に日本が立ち直るためには、労働力をもっと有効に使うための人的投資が必要である。人的投資と言っても教育をやればいいという話だけではなくて、トータル的なことと思うが、非常に大きなポイントになってくるであろう。
 2つ目にグローバル化の話をしたいと思う。安倍内閣にとっても非常に重要な経済政策で、TPPや観光戦略にも取り組んできた。これから対内直接投資が重要になってくる。そして安倍内閣のグローバル化の戦略に大きな影響を及ぼしているのが、2020年の東京オリンピック、パラリンピック。観光や交通業界だけでなく、農業の輸出振興や、留学を希望する人も出てくるかもしれない。この動きをどうみるか。取りあえずは2020年までのビジネスチャンスにどう取り組むのかということだろうと思う。強調したいのは2020年までに起こっている話は、オリンピック以後は終わりではないということ。これまでは日本というマーケットの中で世の中が動いたが、地域が栄えるために、より広いマーケットで勝負してみようという気概も非常に重要である。マーケットが広がると、差別かも必要である。
 経済産業省の新産業構造部会というホームページをみていただきたい。そこに会議資料があるがアクセス数がとても多い。ここには人口知能とかビッグデータ、IOTとか、話題になっている技術革新の事例が多く出ている。大企業だけでなく中小企業も出ているし、アメリカ、ヨーロッパだけでなく、日本のケースも出ている。こういう技術をいかに早く取り組んでいくかが重要で、経済産業省はこれを今年、来年の目玉にしているのでぜひ活用していただきたい。あらゆる物がインターネットを通じてつながって、実現するサービスをIOTと言う。これが世界全体で、日本の総電力量を超えるくらいのサーバーの電力利用量になっている。こういうことになってくると、ビジネスの流れは変わる可能性がある。中小・中堅企業にとってみるとこれはプラスでもある。ウーバーやエア ビーアンドビーなど、ある程度の資本力や設備がないと出来なかったことが、シェアエコノミーになってくると、極端なことを言えば一人のドライバーと車があれば、一部屋があればビジネスが出来てしまう。IOTとかクラウドとかビッグデータとかCIとか、こういうものをどこまで使っていけるかということを、真剣に考えていくことに関心を持っていただきたい。
 これからどういう時代になるかというと、先進国が支える時代でイノベーションを最大限活用して少子高齢化の人出不足にも関わらず、むしろそれを刺激にしてビジネスモデルを変えていく。求める所は量の拡大ではなく、生活の質を向上させて、それを使って時代の要請に合うようにしていく。これが出来るかが、世界経済が伸びるかどうかに係ってくるであろう。少子高齢化、環境問題、グローバル化を上手く使った差別化や技術革新に、どういう形でソリューションを提供できるかどうかが、ビジネスに重要なポイントで、そこに上手くはまって来ると、結構面白い形なのかなと思う。


東京大学大学院経済学研究科教授 伊藤元重

(いとう・もとしげ プロフィール)
1951年静岡県生まれ。1974年東京大学経済学部経済学科卒業。1978年米国ロチェスター大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在は大学院経済学研究科教授。税制調査会委員。復興推進委員会委員長。経済財政諮問会議議員。社会保障制度改革国民会議委員。公正取引委員会独占禁止懇話会会長。
著書に『入門経済学』(日本評論社、1版1988年、2版2001年、3版2009年)、『ゼミナール国際経済入門』(日本経済新聞社、1版1989年、2版1996年、3版2005年)、『ビジネス・エコノミクス』 (日本経済新聞社 2004年)、『ゼミナール現代経済入門』(日本経済新聞社 2011年)など多数。


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「大学」という存在が「暴れ馬」のようになってきた?!(平成28年3月号)

2016年3月1日(火)
「大学」という存在が「暴れ馬」のようになってきた?!(平成28年3月号)  今、大学は騎手がうまく御せない悍馬=暴れ馬になってきている。
「暴れ馬」の英訳を調べると、「手に負えない」とか「扱いにくい」という意味で、an unruly/unmanageable horseというのがある。また、「暴走した/逃げ出した」とか「落ち着きのない」といった馬の状態にスポットを当てた、a runaway/restive horseという言い方もある。
 大学数や大学定員が増えて行く中で18歳人口はさらに減っていく。2019年度には「専門職業大学」という新たな大学形態のものが“仲間入り”する。こういった状況を考えれば、大学はますますunmanageableな存在になっていく。「大学」という存在は、騎手(経営者)にとって、扱いにくい「暴れ馬」なのである。
しかし、2016年、丙申の年に入ったこの時点で私が強調したいのは、「大学」の多くはすでにrestiveな(落ち着きのない)状態となっており、ある方向にrunawayする=「逃げ出す」大学が続出する危険がある、ということである。この「暴れ馬」状態は、騎手や馭者にとってまずいだけでなく、「まち」にとっても危険なことであり、一緒になって「暴れ馬たち」に響く言葉を発して、巧みに制御しなければならない。
 我が国の18歳人口は1992年度には210万人、現在は約110万人。2018年度から漸減が始まり、2021年度以降は90万人台に落ち込む。この点を見通せば、大学・学部増や入学定員増には慎重になり、健全経営に向かうのが「普通」の経営の仕方かと思われるが、収容定員8,000人以上の大規模大学が中心となって、実は更なる規模拡大は進行する。 
丙=火の兄(「盛ん」の意)、申(「伸びる」の意)の今年は、その転換期を象徴する年になるであろう。では、そうした動きが生まれる「インパクト」は何なのか?次の三つである。
 一つは、国勢調査で言う「人口集中地区」=大都市/都心における大学誘致の動き。特に、小中学校、工場等の空き地活用と結びついた大型リノベーション事業との関連が大きい。二つ目は、文科大臣による「廃止」通知が波紋を呼んだ、国立大学の人文社会科学系(人社系と略す)学部の見直しの動きである。国立大学は2016年度からの6カ年について、新たな中期目標を定めることが義務づけられているが、大学・大学院合わせて33、大学だけで言うと26の大学が、既存の人社系の学部を複合系/学際系の学部に改組する。その際、都心に移転することなどと絡めて、自然科学系の学部・学科を新設したり、自然科学系学部・学科に定員を一部移動させたりして、大学全体の定員を増やす動きが出てきている。三つ目は、「地方創生のため」という触れ込みであるが、国公私立を問わず、特に大・中規模大学について、入学者の定員超過率がある一定の基準を超えた場合には、補助金や交付金を大幅削減するといった厳しい措置を講ずる「政策」が昨年末に発表されたことである。実際に定員を超えて学生が来ており、定員超過がままならないとなれば定員を増やして、最低限「現状を維持」しようと考えるのは「普通」の経営が考えることである。
 「大学」はこうして都市部の駅前という「都心」に集中し、それがまちの華やぎや人口を増やす誘引となり、特定の分野への傾斜を強めながら大学規模をさらに拡大していく。「暴れ馬」は、こうした上(かみ)の「声」に促されて、ある一定の方向にギャロップで走り出しているのだ。
 我が大学は、「大学は地域の中に、地域は大学の中に」をモットーに、知多地域に根を張り、文科省の言う「実学性」の濃い人社系学部の規模割合(約7割)を維持し、2017年度には美浜キャンパスに「スポーツ科学部」を設置して大学の定員規模を拡大(+90)するなどの「積極モデル」を、「第2期中期計画」(2015〜2020年度)の基本戦略の一つに据えた。これも流れに抗する、もう一つの「暴れ馬」の姿なのかもしれない。

学校法人日本福祉大学 理事長 丸山 悟

(まるやま・さとる プロフィール)
<略歴>
昭和29年生。昭和53年早稲田大学法学部卒業、昭和54年学校法人法音寺学園(現学校法人日本福祉大学)入職、平成4年教学事務部長付課長、平成6年企画広報部企画広報課長、平成9年学園企画部長、平成13年企画・事業局長、平成21年理事・日本福祉大学総合企画室長、平成25年理事長就任、平成22年2月東海地区大学ソフトボール連盟会長、平成27年6月福祉系大学経営者協議会会長。


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いいかも半田!(平成28年2月号) 

2016年2月1日(月)
いいかも半田!(平成28年2月号)   平成28年がスタートしました。
 半田商工会議所の皆様には、市政運営に対しまして多大なるご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。平成28年も、市民の皆様の安心・安全な暮らしを確保するため、これまで同様に全力で市政運営に取り組んでまいりますので、変わらぬご支援をお願いいたします。
 昨年は、「半田市の観光元年」と位置付け、
4月に半六庭園、7月に半田赤レンガ建物、そして11月にはミツカンミュージアム、旧中埜半六邸(母屋)がオープンし、半田の観光が装いを新たに船出した年でありました。観光元年における新たなブランドスローガンとして、「いい味、かもしだす。半田 〜いいかも半田〜」を掲げ、観光キャンペーンやPRキャラバンを展開してきました。数多くのマスメディアにも取りあげられ、半田の認知度は着実に上がってまいりました。2年目となる平成28年も、これまで以上に半田の観光力を磨き上げ、全国に発信し、多くの観光客にお越しいただけるよう関係団体等と連携し誘客に努めてまいります。

■観光振興による地方創生
国や県においては、21世紀を支える地域活性化の切り札として観光分野への期待が高まっています。平成25年には、史上初めて我が国の訪日外国人旅行者が1,000万人を突破し、2,000万人突破も目前となっています。平成28年5月に伊勢志摩サミット開催、平成32年に東京オリンピック・パラリンピック開催、さらに平成39年にはリニア中央新幹線(東京〜名古屋間)が開通します。これらにより、国内外の人の動き・流れが大きく変革していきます。本市としても、社会情勢の変化に乗り遅れることなく、全国に半田を発信する絶好の機会ととらえ、先を見据えた取り組みを進めてまいります。
「観光」は、まちのすぐれたもの(光)を観ることと言われます。半田のまちの魅力を知っていただくことは、交流人口の増加により、活気のあるまちにつながります。また、観光客同士、観光客と地元住民との間にふれあいの機会をつくることによって、新しい文化の生成・発展につながるものでもあります。
観光は、成長性が高く、波及効果の裾野が広い産業です。飲食、新たな商品開発・販売など経済効果を生み出し、地方創生のための重要な施策の1つです。半田市が将来にわたって発展し続けるまちであるために、観光を原動力に、賑わいの創出と地域経済の活性化に力を注いでまいります。

■回遊性向上による賑わいの創出
半田には、「山車・蔵・南吉・赤レンガ」といった先人たちが築き上げ、守り続けてきた本市特有の観光資源があります。歴史や文化に裏付けされた、まさに「本物」であり、他の市町にはない大きな魅力です。点を線で結び、さらに面にするため、回遊ルートの整備や各施設との連携したイベントの実施など回遊する仕掛けづくりを進めることで、地域を活性化させてまいります。多くの人が集まり、賑わいが創出されることは、大きなビジネスチャンスにつながると確信しております。
おもてなしの心を大切にし、半田にお越しいただいた観光客に「いいかも、半田。」と感じていただき、何度も半田に足を運んでもらえるよう引き続き観光振興に取り組んでまいります。

平成28年におきましても市民の皆様にとって誇りと愛着のもてる活気にあふれた半田の実現を目指してまいりますので、今後ともよろしくお願いします。

半田市長  榊原純夫


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