

総務省によると、2024年の就業者数は6,781万人で、前年から34万人増え、比較可能な1953年以降で最も多くなりました。女性やシニア層の就労が広がったことが要因であるものの、潜在労働力人口から就業者数を引いた「余剰労働力」は乏しいものがあります。
労働政策研究・研修機構の推計では、2040年時点の就業者数は、最も低いシナリオで5,768万人まで落ち込むとされます。賃上げをしなければ人手を確保できず、また、販売価格を上げなければ賃上げもできない。「失われた30年」のデフレ時代には、原材料価格が上がっても人件費を抑制し、販売価格を据え置くのが一般的でした。値上げをタブー視する「我慢の戦略」を続けてきた結果、1990年代から賃金が上がっていないのは、主要7か国で日本とイタリアのみとなりました。
日本商工会議所による、最低賃金引き上げの中小企業への影響に関する調査では、2020年代に全国加重平均1,500円にする政府目標を巡り、「対応は不可能」が19.7%、「対応は困難」が54.5%で計74.2%に達し、東京23区と政令指定都市を除く地域のうち、従業員20人以下の小規模企業では「不可能」が25.1%に上りました。また政府目標達成に向けた年平均7.3%の引き上げへの対応では、15.9%が廃業や休業を検討し、地域の小規模企業では20.1%に及び、最低賃金の一段の上昇が経営に重荷となる実態が浮き彫りになっています。
生産性を高めるためには、賃上げと人材への教育投資が欠かせません。また、デジタル技術を導入し、人手に頼らない業務を拡げることも喫緊の課題です。人件費などの増加は、経営に構造改革を迫ると同時に、成長への道筋を描くきっかけとなります。
当所は、自らの企業価値を高め、競争力ある企業へと留まることなく自己変革に挑戦する中小・小規模事業者の新たな価値創造と、付加価値の向上を通じた成長を支援し、全ての企業が共に生き、共に栄える地域社会づくりを目指してまいります。
名鉄・JRの二つの鉄道線、半田運河の南北軸にまたがる半田市中心市街地は昨年、活性化に向けた“再始動元年”を迎え、その中心的な役割を担う民間主体の組織「半田市中心市街地活性化協議会」が活動を開始しました。
本年4月からの5年間を計画期間とする「半田市中心市街地活性化基本計画(半田市策定)」が公民連携の取り組みとして始まる中、人口減少・少子高齢化が進む半田市全体の維持につながる都市経営を図り、商業者・商店街の枠を超え、まちの活力を創出する多様な当事者が織り成す新たな半田市中心市街地づくりに取り組み、半田市全体を持続可能なまちにすることを目指してまいります。
半田市による「半田市産業振興会議(委員長/榊原康弘前会頭)」が2年半余の活動を経て本年2月、半田市長へ提言書を提出しました。半田市の産業の強みを活かした産業基盤・産業クラスターの将来方向を定めること、国の政策動向や発酵食文化などの時流を的確にとらえ産業振興ビジョンマップを策定すること、実現に向けた体制整備とフィージビリティ検証の実施並びに各種行政計画への反映を行うこと、を提言の柱としています。
地域経済の自律的な成長には民間需要、とりわけ「個人消費」が重要です。消費の地域外への流出を抑制し地域内で循環する仕組みづくり、豊かな経済循環構造を創出する産業の創造と育成について、公と民が役割分担と連携をもって推進し、半田市産業の発展、半田市を強くする地域経済循環づくりに取り組んでまいります。