半田商工会議所 THE HANDA CHAMBER OF COMMERCE & INDUSTRY

会員トピックス
とーくさろん

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非日常の空間で世界の料理を

2023年10月31日(火)

HAJIKAMI 北川尋千さん


非日常の空間で世界の料理を


非日常の空間で世界の料理を

 多国籍料理の店をオープンしたのが2020年4月、コロナ禍を何とか乗り越え、物価高戦争の中で戦いながら、充実した日を過ごしていますが、かつての僕は自分のダメさを思い知る場面が多くありました。そんな自分を変えたくて、大学の時に(生まれた東海市から)折りたたみ自転車で京都に行き『僕にとっては無謀とも思えるような旅も、やれば出来るんだ』と自信が生まれ、翌年ママチャリでお遍路さんとして四国を一周しました。全行程、野宿という旅の途中で、人生の師と感謝している世界一周をした人と出会い、人生観が変わりました。今もその人からパワーをいただいていますが、人と少し違った生き様に憧れ、世界一周が夢になりました。
 とは思っても堅実に(笑)、靴を扱う小売企業に就職しました。働いているうちに、自分で作り出したものを提供してお客様に喜んでもらいたい、当時ステータスだったカフェをやったらカッコいいかな?知多半島にオシャレな店を開きたいと飲食の世界に挑戦しようと決意しました。大学時代にトンカツ屋さんでアルバイトをしましたが、包丁すらまともに握ったことがないのに、またまた無謀なことを考えました(笑)。
 その想いが募って退職して、バックパッカーとして世界一周の旅に出ました。それまで日本の常識、与えられた情報の中で生きてきましたが、「自分の物差しで物事を見ないこと」を意識して旅し、視野が広くなったような気がしています。家でのカレーしか知らなかった僕は、海外のスパイスの効いたカレーは新鮮で、スパイスを活かした料理の美味しさ、面白さ、素晴らしさに衝撃を受けました。僕が学生時代に旅に出ていたら、今その時に受けた影響に左右された生き方をしているかも知れませんが、社会人になり、店を開こうという目標を持って旅しているので、そのための情報収集をしながら、その時の旅のテーマ『楽しむ』ことに全力を注ぎました。
 結局、1年間で30ヶ国ほど周り、旅の後半では早く帰国し店を出す準備をしたいと焦っていました。会社を辞める時も勇気がいりましたが、この頃友達はバリバリに仕事をしているのに、スタートラインにも立てていない僕は不安の中にいました。帰国後に本格的に飲食店で10年ほど修行し、たまたま出会ったこの古民家に惚れ込み、古事記から見つけた香辛料の意味合いを持つ「HAJIKAMI」としてオープンしました。香辛料のようにピリッと刺激的で、非日常の空間を味わっていただきたいという想いを込めています。今はハジカミ生姜があるので、馴染みを持っていただける店名かも知れませんね。カフェから多国籍料理の店に変わり、シナリオにはなかった(笑)妻と一緒にスタートすることに責任は伴いましたが、やり甲斐も大きかったですね。
 目前に緑が広がる開放的な店内に、テーブル席、ソファー席、バーカウンターをご用意し、ハーブ類を使い、スパイスが効いた世界の料理を提供しています。世界に美味しいものがあることを知って欲しい、それぞれの国の食文化に興味を持っていただきたいと思い、その国の食材を使い現地の味を再現しています。旅先でのメモと睨めっこし、レシピ本や現地の調理法を参考にしながら、今までの経験をベースに、僕らしい店作りができたらと考えています。店内には旅した国
の雑貨や民芸品をディスプレイしています。余談ですが、お金のない旅の中でもオシャレをするために10個くらいの帽子を持ち歩いて、その日の気分で被っていました。そんな帽子も店内に置いています。異国情緒を感じていただけたら嬉しいですね。世界各国を旅して、僕なりに感じた想いが店内のあちこちに散らばり、この店の原点になって
います。
 ランチは『世界のカレー』として、タイ、北インド、南インドと色々な種類のカレーを提供しています。食後には、ラテアート(latteone2021 3位入賞)、デザート等々をお楽しみください。また、ディナーは多国籍料理とクラフトビール等、シーンに合わせてご賞味ください。イベント時にはキッチンカーで出店もしています。見かけましたら、気軽に声をかけてくださいね。古民家だから女性のお客さまというイメージを持たれるかもしれませんが、お一人での男性客のリピーターもいらして、幅広い客層の方に来店いただいています。ありがたいことです。
  世界一周をする。自分らしい店を持つ。この二つの夢を叶えた僕は、知多半島に今までない僕にしか出来ない店を展開し、飲食を通して盛り上げたい!と新たな夢に向かって挑戦中です。
 
■住所:半田市岩滑中町4-146 ■ 営業時間:ランチ 11:30~15:00(14:00 L.O)
  ディナー 水・木 18:00~21:00(20:00 L.O)、金・土 18:00~21:30(20:30 L.O)、日曜 11:30~16:00
■ 定休日:月・火曜 ■TEL.89-6333 ■ https://www.instagram.com/hajikami_handa/




民俗文化の再生にかける!

2023年9月29日(金)

立川流彫刻 六代目 立川美術館主宰 (株)朝倉堂代表  立川芳郎尚冨さん


 亀崎で生まれた私は『潮干祭』とともに育ってきたと言っても過言ではないでしょう。その影響か、現在は民俗文化を本来の姿に再生する取り組みをしています。文化庁や各地域の依頼で色々な土地に赴きますが、そこに住む人たちは、その地域の歴史や本来の祭りのあり方に気づいていないことに時々出くわします。
 修復には学術は欠かせなくて書物を紐解き調べものをしていますが、興味深いことに行き当たることもしばしばです。知多半島における民俗文化の繋がりという点から見ると、亀崎と師崎は1000年程前は海軍をつかさどる田島海部一族の本拠地でした。そこでは干潮時に渚を渡御した祭礼儀式が執り行われ、師崎の祭礼は『潮時祭』と呼ばれていた時代もありました。当時は両方で一つの祭礼と見なされていたようです。時代の流れで、それぞれの祭りの形は変わりましたが、今も山車(やまぐるま)の後下り、枝綱の縛り方、山車の曳き方などに共通点が見られ、随所にその名残をとどめています。
 このような歴史を知ることで、ただ綺麗に元の姿に戻すことが修復ではなくて、町の歴史や成り立ちを知ることで、本来の祭礼のあり方が見えてくると考え、講演活動も大切にしています。そうするとそこに住む人々の意識が変わり、郷土愛も育まれ、町も活性化してくる様子を体感してきました。ただそういう祭りは、同じことを続けることが大事になってきます。連綿と継続していくことで先人の想いを肌で感じ、そこに住む人たちの民俗性が出来上がってくるのではないでしょうか?粛々と続けるということは面白くはないですが(笑)。
 美術力、技術力も修復に必要な要素となってくると考えています。綺麗に再現するにはこの技術力を持っていれば、比較的容易にできると思われがちで、『匠の技』と表現されることがありますが、安易にそういう流れに走ってしまうことをやや危惧しています。元々、匠という語源は聖武天皇時代(728年)に設置された、宮中の器物や殿舎の装飾をつかさどった役所、内匠寮(たくみりょう)からです。その長い歴史の中から生まれた『内匠』の称号を立川が授かったことは、天下一品に値すると思っています。かつてそういうスペシャリストたちが関わっていた作品の修復をするためには、学術、美術力、技術力の三術が必要不可欠と痛感しました。1989年に日本の伝統美術の一つで、江戸時代の代表的な宮彫りの流派である「立川流彫刻」を研究し、その技術を伝承していくことを目的に『立川美術館・立川流彫刻研究所』を設立しました。美術家を中心に、プロの彫刻師、建築家、歴史研究家等各分野の人たちで構成しています。また、作品や資料を収集し、保存・公開することで、立川流彫刻の周知に努めて
います。10月には『第九回はんだ山車まつり』が開催されますが、山車まつりとセットで、当館に見える方もいらっしゃる予定です。
 潮干祭の山車も創建以来何度も総造り替えや修復を経て、今日の姿になったように、文化は創作されながら受け継がれていくものと考えています。はんだ山車まつりも半田の文化を大切に思う若者たちによって創られた新しいイベント文化だと思っています。随所に新しさがあり興味深いですね。掛け声一つとっても、亀崎、乙川地区は「ヨイサー」で、綱引きもそうですが、引くときは「ヨイショー」でしょう。でも掛け声の多くは「ワッショイ、ワッショイ」。曳き手がピョンピョン飛んでいますので、自然に発せられた言葉なのでしょうね。
 私は今、棟梁・アーティスト・プロデューサーという顔を持ち活動をしています。伝統芸術だから創作とは関係ないのではなく、立川流の技を踏まえて、新しい素材との融合に挑戦しています。教職に就いていた時もありますが、先生は定年になったら終わり、この仕事は生涯関われます。やることがいっぱいあって、時間が足らないくらいです。
 自分の仕事があって、依頼の仕事があって時間に追われる日々ですが、この分野のことが多少なりとも解っている者、経験してきた者が伝統文化の再生に携わることが求められていると思っています。私自身、知多半島の山車彫刻を一手に引き受けてきた『彫常さん』の弟子として指導を受けた御恩に報いるためにも、今まで培ってきたノウハウをそういう場面で活かしていたけたらと思っています。豊かになった世の中で、人々の心が満たされた時こそ原点に返り、伝統文化の大切さを感じていただきたいと思っています。文化は人々に楽しさや感動、精神的な安らぎや生きる喜びをもたらします。私の民俗文化を本来の姿に再生する作業で、多くの方の人生が豊かになったら嬉しいですね。

■半田市亀崎町6ー81  ■TEL.29-5897



「古」と「新」が混在するkonya

2023年9月1日(金)

factory84 橋本 仁さん


「古」と「新」が混在するkonya

 factory84は2015年の開業以来、「パソコンドクター119」をメイン業務として展開し、知多半島を中心に地元企業や個人のパソコン整備、ネットワークに関する困りごとの解決やIT環境の整備をしてきました。もともと私はWindowsが存在しない時代にシステム会社に就職をし、プログラマー、SE、社内SEと仕事をこなしてきました。当時はプログラムを入力することは簡単にさせてもらえず、ほとんどが紙ベースの作業でしごかれた記憶があります。パソコン同士のデータの
やり取りもすべてプログラムをする必要がありソフトだけでなくハードの仕組みも詳しくなっていきました。
 あれから30余年が経ちパソコンの性能は格段にあがりましたが、基本的な構成は当時とあまり変わっておらず、当時叩き込まれたノウハウが現在の仕事にかなり活かされています。パソコン、インターネット、ネットワークは特別な人が使うものではなく、身近な物というより必需品となってきました。中小企業ではこれらの技術者を社内に準備することは難しく、そういう環境下で「パソコンドクター119」のサービスは誕生しています。
 最近では働き方改革、インボイス制度など今までのビジネス環境から大幅な変化を求められる時代になりました。さらにコロナ禍もあり資格取得、起業思考も高まってきています。
 「Office konya」はこのような背景と自社の技術力を結集することで誕生したコワーキングタイプのシェアオフィス(月契約)です。この空間は様々な会社のオフィスの参考にもなるショールームにもなっているのでお問い合わせ頂ければ見学も可能です。ご要望に合わせてオフィスのレイアウト、ネットワーク、データの保管方法などの設計、施工が可能ですのでいつでもご相談下さい。
 シェアオフィスを半田市に作った理由は、いわゆる名古屋の会社へ通勤する方のベッドタウンになっているのと、知多半島の真ん中にあり官公庁が集中するエリアなので、都市部と同等の状況の中にオフィスを持つことが出来るからです。契約者へのサービスとしては住所使用可、専用ロッカー、認証機能付きコピー機、紙折り機、各種文房具などを提供しており、パソコンがあればすぐにでもお仕事が始められるのが利点になっております。現在は、士業、プログラマー、コンサルタントといった異なる職業の人たちが利用し、情報交換や交流を深めています。取引先の方との打合せや食事などは、1階にある「Cafe konya」のご利用が可能です。
 「Cafe konya」もfactory84の事業のひとつになっています。カフェはモーニングタイム、ランチタイム、ティータイム、夜カフェ&BARタイムと時間帯によってメニューに違いをもたせて提供しております。また、パティシエとして起業されている方にカフェのスイーツ作りをお任せしています。それ以外にも地元の食材や調味料を取り入れ、窯元の作家さんによる手作りの器を使っております。カフェではこういった小規模事業の方々に支えられている面とお客様にその商材、関係
性をお伝えすることで、相乗効果が得られ面白い広がりをみせています。
 働き方改革などで仕事のスタイルなどは変わってきました。さらに進化した働き方として「ワーケーション」という仕事を旅行先でも出来る考え方もあります。仕事をするのに今までの様なThe事務所のような環境でなくリラックスして働けたらというのも働き方改革の一端なのではないでしょうか。少しでもそのような環境にしたく古民家を昔ながらの日本家屋の良さを残しながらリノベーションしkonyaを誕生させました。仕事に疲れたらおいしい食事で休憩して、カフェのスタッフや
他の利用者と雑談をしてまた作業に戻る。これこそがこれからの時代に求められる新しい働き方だと思います。
 起業家の方にはスタートアップの場所、士業の方には官公庁近辺にある作業場、テレワーカーの方は自宅とは違う仕事場所として地域を支える場所「Office konya」を活用して頂けたらと思っております。そしてカフェ共々、少しでも多くの方にこのkonyaという場所に慣れ親しんでもらえたらと思っています。
 おまけになりますが、ここkonyaには古民家とは不似合いなFreeWi-fi、EV自動車用の充電設備、「酸素カプセル」なども設置しています。「古」と「新」が混在するkonyaは、これからも働き方の追求を続けます。

■半田市榎下町24-1  ■TEL.0569-89-9917




明日を見つめて今全力

2023年7月28日(金)

東海樹脂工業(株)東海隆彦さん 

明日を見つめて今全力


 父親(現会長)の『後継者は長男、二男は会社に関わらない』という意向に従い、僕は大好きな車の仕事をしようと修理や販売、店長として働いていました。今も隙あれば車屋をやりたいと思っています(笑)。5年くらい前に会社を継いだ兄からの要請でサラリーマンを辞めて当社に入社しました。労務や経理、人事を担当しましたが、経験のない分野で戸惑うことも多く、社業とはいえその頃はちょっと辛かったですね。
 当社はアルゴン溶接等アルミ加工を得意とし、創業当初から車のガラスの精度等をチェックする検査機器を製作し、樹脂型検査ゲージ、検査治具の製作等を業務としています。中でも40年以上、お客様の製品の品質向上に貢献させていただいている特許取得の自社センサーを取り付けた樹脂型検査ゲージ製作は、当社の大きな武器の一つです。2016年にドイツの工作機械メーカー『FOOKE』からアジアでの拠点を作りたいと声がかかり、業務委託を締結しました。現在国内で3台あるこの5軸加工機『ENDURA』はプログラミング次第で、自動車、船舶、鉄道、航空、宇宙どの分野にも対応でき、用途に応じた使い方ができます。人が何十時間もかかる作業を短時間で、加工面も極めて精緻な仕上がりとなり、今業界に求められる『意匠面の厳密な再現』に対しても目覚ましい効果を発揮します。新規事業として、この加工機の販売とメンテナンスを請負っています。僕が所属している総務部ではDXの導入により業務の効率化を図り、手持ち無沙汰になったので(笑)、その分営業に力を注ぎ始め、攻めの営業活動をしていこうと思っています。 
 この加工機の定期点検・メンテナンスは当社でしか請け負えないという武器を活かして商圏は日本全国です。社員は何ヶ月もドイツに行き、その技術を学び100%サポートが可能です。販売後の定期メンテナンスや不慮のトラブルが起きた場合には、その会社と当社をつなぎ遠隔操作で解決する方法も考えています。また、交換部品も当社がFOOKEから仕入れ、お客様に販売する商社のような役割を果たせたらとも思っています。そしてメンテナンス等に関わる、オペレーターを養成する学校を作れたらいいなとも夢見ています。
 2019年には生産工程における品質管理の最適化を図るため、ドイツに拠点を構えるLED外観検査機メーカー『Oligo』と業務提携をしました。社内に2社の製品のデモセンターを併設し、購入を検討される方に実際にその製品を見て試していただいています。それぞれの担当者は日々追われています。アジアの拠点作りというご縁をFOOKEからいただいた当社は、アジアへ、そして世界へと進出しようとしています。その夢が実現したら楽しいですね。
 この製品の素晴らしさを多くの方に知っていただくこと、それが僕の仕事と思っています。それと同列にするのも変かもしれませんが、僕は青年部の魅力を伝えていくことも、僕の役目かなとも考えています。 
 社業に入社したのと同時に、同級生の誘いを断りきれずに青年部に入会しました。会員50名増強の年で、その委員会に入ってしまい(笑)、先輩委員にお供して話を聞いているうちに友達も増えて楽しくなっていきました。紹介者の彼の顔を立てようと全行事に参加し、入会初年度には『新人賞』をいただきました。翌年は『MVP』を狙ったのですが、獲得に至らず涙を飲みました(笑)。青年部に入ったお陰で仲間からの声掛けもあり、『異業種交流展示会メッセナゴヤ』や『アライアンスパートナー発掘市』にも出展し、当社のPRをする機会をいただきました。青年部入会前はどこの経済団体との付き合いもなく、また当社の製品が一般消費者と直結していないので、ある意味謎の会社でしたが(笑)、少しは認知されたのでしょうか(笑)。県の連合会、東海ブロックに参加すると、当社を知っているメンバーとお会いすることもあり、青年部の繋がりの広さを感じています。僕は青年部に入会して友達も多くなり、様々な情報も入り、人生が豊かになりました。出席を渋っているメンバーや、これから入会を検討している方々に、青年部の魅力や楽しさを発信していこうと思っています。それが僕にできる青年部へのお返しかなと・・・。
 5軸加工機『ENDURA』の営業活動が軌道に乗ったら、夢の実現に向けて動き出そうと考えています。業界の研修で『今後は一企業で7事業を持っていないと生き残れない』という話を聞きました。7つとは言わなくとも、3つ4つの事業は必要かなと考えています。青年部メンバーと一緒に新事業を興すのも夢の一つです。
 仕事、青年部活動、趣味のジェットスキー、食べ歩きとスケジュール表に予定はビッシリで、ゆっくりする暇もありません。でもこうして動いていることに幸せを感じています。28歳の時、首のヘルニアで生死の境を彷徨いました。それからは、動けるうちは動かないともったいないと、家が好きだった僕は外へ出て行くようになりました。食べ物の好き嫌いをしていたらバチが当たると今は好き嫌いは一切ありません。 
 『明日を見つめて今全力』父が創業以来、経営理念としてきた言葉です。僕もその言葉を噛み締めながら、公私共に今日も明日も全力です。
 

■知多郡武豊町字前田34  ■TEL.73ー5101



「自信と信頼」人材のプロとして幅広い挑戦

2023年7月3日(月)

(株)ジェイワークス  中島真帆さん

今、こうしてここで働いている。それが一番の喜びであり、楽しみです。ここに辿り着くまで色んなことがありました。徳島の大学の教育学部で学んでいるうち、外国の人たちと関わる仕事をしたいと夢みて、「日本語教師になろう!」と考えるようになりました。で
も、「それでは食べていけない」という現実を知り、当時日本で外国籍の子どもが一番多く住んでいた愛知県で教師の道に進みました。ですが7年ほど勤めた時に「夢はどうなったの?このままでいいの?」と思ってしまったんですね。それで勢いで留学をしました。そのときはベトナム語を話す人も少なく、日本人がベトナム語喋ってたらなんか面白そう、食べ物も美味しいし・・とベトナムにいきました。
 調子よくベトナム語を学んでいたところ、コロナ禍に見舞われ緊急帰国しました。言葉だけでなく、人柄も国もまるごと好きになったベトナム。せっかく勉強してベトナム語を身につけたんだからと、役所で通訳などをしていたのですが、やっぱりどうしてもベトナムに行きたくて、何とか渡航した途端、またしてもコロナ禍の影響で立ち行かなくなってしまいました。ロックダウンで外出も禁じられるベトナムの街。外国の地で生きるということの意味を考えさせられた出来事でした。帰国を余儀なくされる中、日本でベトナム語を使う仕事をインターネットで探す日々でした。ただ、「ベトナム語を話す日本人が少ない」ということが裏目に出てしまい、ほとんどの会社では面接すら通らず…。そんな時に『ベトナム語を話す日本人なんて見たことないから面白そう』という当社に面接をしていただきました。面接官だった今の上司には感謝です。私の恩人です。その面接日が今思えば、人生のターニングポイントでした。
 ここに入社してまだ数年ですが、『私たちは、「いろいろなハ・タ・ラ・ク」を通して、互いを認め合い、人として成長し、自己実現を目指します』『私たちは、素直な心で対応し、豊かな創造性で、広く、永く、発展していきます』という経営理念の本当の意味について、少しずつ嚙みしめるようになってきました。弊社は人材派遣、海外からの特定技能の方や技能実習生のお世話、飲食業・介護施設の運営、求人媒体「専門生ナビ」の発行…と仕事は多岐にわたっていますが、根本にあるのは『ひと』です。スキルは経験でカバー出来ますが、一緒に働く人とはパートナーでありたいと思っています。この会社が「あなたがいてくれてうれしい」とお互いを認め合い、働く人の自己実現をサポートできる存在でありたいと思っています。
 経営理念に『広く』という言葉があるように、日本のみならず、東南アジアをはじめとした外国人の方の採用も積極的に行っています。外国の方は初めて来日される方も多く、そんな時には安全に安心して生活していただくために物心両面の支援が必要です。彼らが働く現場に顔を出して世間話をしに行ったり、一緒にご飯を食べたりすることも多いです。通訳、としてではなく、時には友達のように、素直な心で大笑いしたり一緒に悩んだりすることで、私という人間を知っていただくよう心がけています。
 経営理念「いろいろな『ハ・タ・ラ・ク』」「豊かな創造性」のキーワードのもと、やってみよう!と立ち上げた新規事業が『専門生ナビ』の創刊(29社掲載、県下160校の専門学校に配布、年1回発行)です。「求人票だけでは見えてこない、本当の企業らしさをアピールできる媒体をつくりたい」という想いのもと、愛知県内の人材を永く育てて伸ばしたい素晴らしい会社と、夢に向かって一生懸命な専門学生をつなげる媒体として、取材も編集も私たちでゼロから制作をはじめました。全くの未経験な分野だったこともあり『産みの苦しみ』を鮮烈に味わいましたが、2022年10月にプレ号を発行しました。就活の時期とズレてしまったなあと心配したのですが、昨年度、会社合同説明会も3回開催しました。このプレ号の配布・合同企業説明会から縁があり、掲載企業への内定を得た学生さんがいらっしゃったことが本当に嬉しかったです。私たちの媒体の目指す方向性が間違ってなかったんだ、という安堵と自信、学生さんと企業の新しいスタートに立ち会えた喜びが入り混じったあの感覚のことは、おそらく一生忘れません。
 創刊号は6月に発行しました(53社掲載)。学校との結びつきも強くなって、すでに合同説明会の開催も決定しています。掲載企業さんに出向いて取材や撮影を自分たちで行うことで、その企業さんのことをより深く知ることができます。だからこそ1社1社すべてに思い入れがありますし、どの企業さんのことも学生さんに自信をもっておすすめできます。学生さんに自分たちの言葉で企業をアピールできるのも他にはない強みだなと。媒体を通して学生さんが「知らなかった世界」とつながるだけでなく、お客さま同士がつながり、学校からのアイデアがそこに絡まり、新たな事業が始まっていく…そんな場面も何度か見て来ました。媒体が他の側面で化学反応を見せてくれる愉しみも感じています。何と言ってもまだ生まれたばかりの媒体です。地元のお客さまや学生を巻き込んで、試行錯誤しながら大切に育てていきたい、私にとってわが子のような存在です(笑)
 人材派遣から媒体作成まで、とにかく色んなことに挑戦させてくれます。わくわくする瞬間に満ちた会社だと思います。何事も中途半端で、それゆえに自信がなくてあれやこれや模索し続けていた私を仲間として受け入れ、少しずつ認めてくださった当社に、少しでも恩返しがしたい一心で仕事に熱中する日々です。『人材の会社で知多半島No.1になること』『一緒に働く人たちがいつか故郷で活躍すること』が私の密かな夢です。私にとって仕事は人生そのもの。生きることは仕事をすること。そんな風に思える魅力的な
仕事に出会えて、なんだかんだラッキーな人生を歩んでいると思っています。周りの皆さんに感謝です。

■半田市岩滑中町4ー73‒1 シャインステイビル NO.2 301号室 ■TEL.26ー7543