半田商工会議所 THE HANDA CHAMBER OF COMMERCE & INDUSTRY

会員トピックス
はんだの元気印企業

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「運動、栄養、休養、心、つながり」の五位一体で生活の質を高める

2024年4月1日(月)

スモールジム MoveOn 知多半田駅前店

 新たな年度を迎え、何か目標を立てて新しいことに取り組み始める人も多いこの時季。健康やダイエットのために運動を始める人も多いのではないだろうか。運動は習慣化しないと効果が出にくいが、運動が苦手な方にも寄り添ってくれるのが、今回ご紹介する「スモールジム MoveOn 知多半田駅前店」である。
名鉄知多半田駅西口より徒歩2分の場所にあるビルの2階に入る当店は、同じ時間帯の利用は最大5名までという少人数スクール制ジムで、毎回トレーナーが教えてくれる個別指導を特長としている。「これまで運動を続けることが出来なかった」「自分のレベルに合わせて、ゆっくり何度も教えてほしい」という方に好評だというこのジムのオーナー兼トレーナーの角地(かくち)真一さんにお話を伺った。
奈良県生まれの角地さんは、中学から大学までは陸上部に所属し長距離走を専門としていたという根っからのスポーツマンだ。大学卒業後はスポーツ用品小売企業に就職し、店舗と本社を含め16年間勤務。その後、スポーツクラブ運営企業に転職し、支配人や新店開発・運営など14年間に亘り経験を積んだ。「顧客や会員さんとお話するための知識や体験を養うため、メジャー・マイナー問わず一通りのスポーツは経験してきました。これまで30年余りの経験を活かし、会員一人一人に寄り添った指導をしたいという気持ちが強くなり、一念発起して2023年9月にスモールジムMoveOn知多半田駅前店を開業しました」フランチャイズ制であり全国で30を超える店舗
数がある当ジムだが、経営者同士の勉強会の場で知り合った創業者と角地さんも想いを同じくして、地域のコミュニティづくりに近い形で運営を行っている。
1回50分のプログラムの中では、動的ストレッチ、筋力トレーニング、神経系トレーニング、静的ストレッチなどを通じて身体の使い方を効率的に指導してくれる。会員は角地さんと近い50歳代の女性を中心に幅広い方が利用されており、特に中心となる50歳代は、親の介護をしている世代で、自分がこの先同じ状況にならないようにと、健康寿命を強く意識されているのではないかという。「1枠5名までというイメージから、グループで入会しないといけないと思われがちですが、個人でのご入会がほとんどで、ご夫婦や親子で入会される方もいらっしゃいます。まず初めは一人で入会され、無理なく続けられる自信がつくとご友人を誘われことが多いです。また、このジムで出会って仲良くなられるケースも多いですね」ジムで仲良くなるキッカケとして、トレーニング後の30分をカフェタイムとして、角地
さんが豆から淹れるスペシャルティコーヒーをいただきながら、身体や栄養など健康に関するお話をする時間が設けられていることが挙げられる(参加は任意)。
トレーナーがつかない通い放題ジムでは、入会から半年後の退会・休会者が約半数にのぼるというデータもあるが、スモールジムは継続率が約85%の高さだという。心身の健康と自分の未来が良くなっていく実感があることはもちろん、トレーナーに気軽に相談したり仲間内でおしゃべりが出来るコミュニティが生まれることも、ジム通いが楽しく続けられる要因の一つではないか。
「進歩・進化する」という意味をもつMoveOnと名付けた当店は、会員が健康に対する意識を切り替え、心身ともに進歩していくことを目指している。常に前を見続ける角地さんに、今後の展望を伺った。「まずはこのジムの経営の安定と、会員さんの生活の質を向上させていくことが当面の目標ですが、長期的には別の夢を2つほど描いています。一つはカルチャースクールの運営で、例えば韓国語などの語学を学ぶと、ドラマを字幕なしで観ることが目標になったり、映像で観た土地に実際に旅行するなど生活に彩りが出てきますよね。短期的な趣味ではなく、そういった人生の生きがいに繋がるお手伝いがしたいと思っています。
もう一つは、心を予防的に健康にする場のご提供です。ジムや運動で身体が良くなっても、心の状態が良くないと健康とは言えないですよね。現在は支障をきたしてからクリニックやカウンセリングに行く方が多いですが、物事の捉え方や考え方を学ぶ場をご提供することで、予防的に心を健康に保つお手伝いができれば嬉しいです」
単なる運動指導に留まらず、「運動、栄養、休養、心、つながり」の多方面から会員の生活の質を高めるために日々活動している角地さん。いつお会いしてもハツラツとした笑顔のウラには、自身に関わる人の健康を心から願う覚悟が感じられた。(取材:齋田哲資)

                 

オーナー兼トレーナー/角地真一
                
住所/半田市昭和町1-2 昭和ビル2F
営業時間/火~金 9:30~21:00、
     土 9:30~20:30
定休日/日・月曜、毎月29日~月末日



安心・安全・誠実

2024年2月29日(木)

半田自動車工業(株)

現在国内主要産業の一つである自動車産業だが、乗用車が急速に普及し始めたのは昭和30年代半ばから40年代前半と言われている。そんな時代より前に、半田で自動車整備業を営む企業があった。今回は終戦直後から半田で事業所を構え、80年近くの歴史を積み重ねてきた半田自動車工業株式会社さんのご紹介。

現代表の祖父である鈴木寅松氏が昭和初期に創業した鈴木トラック商會からはじまり、昭和20年10月21日に半田自動車工業株式会社として法人設立。当時は運送用のトラック整備が主であったが、高度経済成長とモータリゼーションの流れの中で、トヨタ自動車のサービス指定工場、各トヨタディーラー協力工場の認定を受け、一般乗用車を中心とした自動車整備・販売会社として事業拡大。平成12年に鈴木裕二氏が若干33歳で代表取締役に就任し、現在に至る。

「右肩上がりの自動車業界でしたが、自動車や部品の性能向上、道路等のインフラ整備が進み、平成7年の車両法改正で、整備業界は大きな転換期を迎えました。「早く、安く」を掲げる業界への新規参入等で、本当に厳しい状況でした。反面、弊社の企業理念である「安心・安全・誠実」をお客様にいかに伝えるか、を再考できる良い機会にもなりました」

そう語るのは現代表の鈴木裕二氏。「私たちの仕事は車を修理する整備業ではなく、安心・安全を提案・販売するサービス業である」という考えのもと、時間管理、数字管理、接客訓練など、社員全員のレベルアップを常に図っている。特に接客訓練には力を入れており、毎日朝礼で接客のロールプレイングを実施し、全社員が誠実な応対、提案が出来る体制を整えている。車が故障してから修理するのではなく、「予防整備」をお客様に提案させていただくスタイルを再度徹底し、信頼を広げてきた。地域に根ざした、お客様の大事なお車の「ホームドクター」としての役割を徹底し、今では当たり前となっている、コンピューターシステム診断もいち早く導入した。

8年前には、一般車両の整備だけではなく、高齢化社会を見据えて、福祉車両用の代車3台を購入し、福祉車両事業部を設立。専門的な整備研修に参加し、昇降機やスロープ、回転スライドシートなどの車両架装整備もすることで、現在では40社を超える福祉施設からの整備依頼をいただいている。また電気自動車の普及に備え、EV車両対応のリフトや可動式急速充電器も今年導入を予定する。

時代の流れと共に多様化するニーズに対し、「安心・安全・誠実」に応える事でお客様の信頼を獲得してきた半田自動車工業。今後の更なる展望として、自動車事業以外の分野にも取り組み始めている。その一つが健康経営の一環としてショールームに導入した高気圧酸素ルームだ。社員の健康管理だけでなく、整備作業中の待ち時間等に、お客様の健康管理の一助になればと無料開放を行い、地元スポーツクラブとも提携し無料で子どもたちの体調管理、怪我のリカバリー等に活用してもらっている。今後の事業として、代理店契約も結んだ。

 「お客様に車の安心・安全を提供するだけでなく、人や社会といったあらゆるニーズに誠実に対応し、顧客満足度を常に高めていく事が重要。そうならなければお客様に生涯に渡って取引していきたい企業と思ってはいただけない」代表取締役鈴木裕二氏の眼には、今後の期待と確かな意気込みを感じることができた。(取材:小林裕也)

【住所】半田市栄町2丁目72  
【代表】鈴木裕二
【営業時間】8:15~17:15   
【TEL】 21-3381
【定休日】日曜日・第2・4土曜日



特装最前線

2024年1月30日(火)

㈲江川工業所

タイトルをよく見てください。昔放送されていたドラマのタイトルではありません。皆さんは、町中で活躍している消防車や、救急車のような特別装備の車、略して特装車と言われる車両が、どのように作られているかご存知ですか。これらの車は、そもそも最初からメーカーが生産・発売している車両ではありません。
今回は、ニッチな産業で社会を支える事業所に迫ります。半田市内で特装車製造を手掛ける、㈲江川工業所です。同社では、主に消防団が利用する消防車の製造を手掛けています。ベースとなる車両は、もちろん大手自動車メーカーが生産しているものですが、特装車として活躍するには、メーカーではなく専門業者である同社の技術が不可欠なのです。では、どのようにして消防車は、製造されるのでしょうか。
同社は、半世紀を超える歴史を持ち、消防団の変化に合わせた消防車の製造を行ってきました。近年では消防団員の減少や、運転免許制度の改正に伴い、消防車もトラックタイプからAT車の軽バンタイプに主流が変化しています。しかし、軽バンタイプが主流になったことで、かつては積載可能だったポンプがはみ出てしまう事象も発生しています。しかし、同社ではそのような課題に対しても、オリジナルレールを製造・設置することで解決しました。
しかし、製造する前段階においても難関が立ちはだかります。消防団の消防車を製造するためには、各地行政の入札制度で権利を落札することからスタートします。権利を落札できなかった場合、そもそも論として、特装車製造という業務自体が無くなってしまいます。今回、見事落札をし、複数台の消防車製造に取り掛かっています。
製造の流れとしては、まずベースとなる車両が選択されるわけですが、基本的に最初から赤い車両ではありません。稀に、赤いベース車両があるかもしれませんが、基本的には、白いボディの状態から製造に取り掛かります。そこへ、消火に必要な水を送るべくポンプや配管類の他、前述したレール等が繋がれます。すると、外見上は、我々が町中でよく見かける消防団の車両に形が近づきます。
ただし、これだけではありません。完成型の用途に応じた分解作業、電装部品の配線設置作業、回転灯などの取付作業が発生します。取付・加工作業に関しては、同社が得意とする溶接技術も欠かせません。培った技術力を活かし、職人による手作業で仕上げていきます。全工程終了後、最終的に塗装ブースにて、赤色の塗装を施すことで、消防車は完成します。
組立作業完了後は、納品先でチェックも行われます。放水・耐圧などに関して、厳しいジャッジが行われますが、災害時に活躍する車両であるためには、厳しいくらいで当たり前かもしれません。厳しい入札を乗り越え、高い技術力による手作業で製造され、更にそこから厳しいジャッジを乗り越えた上で、町中で活躍する消防車が出来上がるわけです。非常に手間のかかる作業で、一台一台が出来上がるようです。
今後、同社で製造される消防車には、知多半島初となる最新型ポンプの積載準備もされていました。こちらは消火のみならず、水害時の排水にも対応できます。あまり活躍する場の無いことを祈りますが、今後も同社の技術が各地で活かされることで、町の安全が守られていくのです。同社は消防団の活動を全力で支援すると共に、今後も時流に合わせた特装車を製造します。(筆者:榊原鉄平)

所在地/半田市亀崎町10-15
代表者/芳賀 淳
TEL/0569-28-0137
定休日/日曜・祝日



お手頃価格で、地域に花を

2023年12月27日(水)

長文種苗店

 日本の都道府県で、花栽培が一番盛んなのはどこか、ご存知でしょうか?そうです。「愛知県」です。愛知県は、昭和37年から花の産出額が日本一であり、品目別でも、菊、洋らん、バラ、観葉植物は日本一の産出額を誇る「花の王国」です。県東部の豊川流域および渥美半島で盛んに切り花栽培が行われ、大規模な温室栽培のビニールハウスが各所でみられます。

 さて、知多半田駅前には、昔から「長文種苗店」という花屋があります。花の取り扱いを主としていますが、種苗店という名前の由来は、先代が七味唐辛子や苗を主として販売していた名残である。
代表の野々村氏は、岐阜にて5人兄弟の四男として育ち、学卒後、名古屋園芸に12年勤めた。幼い頃から花に興味があり、天職についた代表は、その際に知り合った奥様と結婚し、奥様の実家である「長文種苗店」の跡取りとして半田の地にて居住を始めた。
 花の仕入れは、豊明の花き地方卸売市場から行い、常に新鮮な花を提供して43年。ベテランの域に達した代表でも、「生産者によって鉢花や苗の水のやり方には気を遣う。花1つ1つの性質は全然違う」と、日ごろの管理には注意している。

代表には、花屋の顔の他に商店街の顔も存在してい
る。長年商店街活動に携わり、半田ランブリングタウン協同組合の初代理事長、そして現在は半田市商店街連合会の会長を務め、地元の方からは「長文さん」という愛称で慕われている。
 そんな長文さんの現在の日課は「夜の散歩」。健康促進のために、商店街の仲間と実施し、「最近は足が少し痛む時がある」と語るが、足の痛み以外は、とても元気な74歳である。また、屋上で菜園を作り、ブロッコリーやピーマン、夏にはナスやキュウリ、トマトなどの栽培を楽しんでいる。

 「開店祝いや退職祝いなど、シーン別や予算別、花のスタイル別に花ギフトを提供しています」と話し、「例えば、開店祝い・開業祝いに花を選ぶ際のポイントは、香りが少ないこと(香りが強い花は、近隣やお店の迷惑になることも。特に飲食店の場合は避けた方が良い)、花粉が出ないこと(花粉症や花粉が周りを汚してしまうこともある)、赤色ではないこと(コーポレートカラーを除き、火を連想させる)」などの、豆知識をご教授いただいた。その時の、満面の笑みからは優しさが滲み出ていた。
ぜひ一度お店に立ち寄り、「長文さん」と声をかけてみてほしい。きっと人柄の良さが伝わるはず。 (取材:中満信宏) 
                
【住所】半田市南末広町122-2 
【代表】野々村照義
【営業時間】9:00~19:00
【TEL】21-1520 
【定休日】不定休



酒屋とソース作りでバランスよく

2023年11月29日(水)

豊田屋酒店

今回、昔ながらの町の酒屋、昭和2年創業の豊田屋酒店に伺った。人との関わりをご縁に商いを続けまもなく100周年を迎えようとしている。
 野間にある酒屋の三男坊の清吉氏が人の往来が多い半田でお店を構えたのが始まりである。当時、当店は病院に行く人や小僧さんの立ち寄り場として人の出入りがよくあり賑わっていたそうである。戦後の混乱期、酒屋として続けられなくなるかもと思い酒の代わりになるものをと考えたのがソース作りであった。当時、調味料不足であったのだが、近所で取れる野菜や美浜の塩等が調達できたことから知人に教えてもらいながらソース作りを始めた。それ以来、酒屋とソース作りの豊田屋食品製造所の二本柱として生業をしている。
 2代目の克己氏が更に美味しさを追求し試行錯誤を続けたことで塩辛さ、酸っぱさ、香りと申し分ないソースを作り上げた。そのソースは、初代の名を使って「清吉つぁんの手造りソース」として売り出された。特に焼きそばに合うと言う。タマネギやトマトなどの野菜を煮て、塩や砂糖などを加えてアクを丁寧に取り除く。カラメルで色を付け、酢と香辛料を入れて後は味が落ち着くまで寝かせる。2 年前から長男の誠氏も加わり家族3人でソースの仕込みをしている。大きな釜を前に蒸気がモクモク。匂いも漂いまさに手作りである。ソースの基本はそのままに、商品ラインアップを広げている。ソース作りを継承したいと勤めをやめ婿入りした3代目の芳彦氏や長男の誠氏と代々、味を守り続けている。お客様へ丹精込めて作ることをモットーにしている。
 その味を味わった人も多いはずである。学校給食にもソースを卸しているので馴染みのある味である。そんな味を懐かしんで店頭で買い求めるお客様もみえる。また、同業の酒屋仲間での販売ルートや観光施設等にも置く他、ネット通販で購入も可能。「ラベル」もオリジナルなものへ変更できるため、贈答品としても使用できる。
 昭和49年に中町から現在地に移って半世紀が経とうとしている。表通りから1本中に入った通りに店舗とソース工場がある。長年、地域の活動に協力的であり頼りになる存在であった克己氏は民生委員や当所小規模企業振興委員を務め、克己氏の娘であり、芳彦氏の奥様である浩子氏も半田小売酒販組合の理事やガールスカウトではリーダーを務め信頼を得ている。
 今後、今の形を残しつつ何かできるといいねと浩子氏は話す。修業中の誠氏も仕入れ先等に同行しながら関係性を築き始めている。酒屋とソース作りがバランスよく合わさり、今後の展開が楽しみである。(取材:中村真由美)


【住所】半田市港本町3-111  
【代表】榊原芳彦 
【創業】昭和2年  
【営業時間】8:00~20:00
【TEL】21-0423  
【定休日】日曜日