2025年9月1日(月)
㈲一粒社はオフィス1階に「印刷ギャラリー」があり、自社出版の書籍を展示。本屋のような空間で文化の伝承と保存を目的に書籍の魅力を伝えている。
昭和23年創業。文字物印刷を中心に文字組みの歴史を歩み続けている。創業間もないころは筆耕という鉛筆の形をした鉄製の筆でロウ引紙に手書きで原稿を書き写していた。版を作成するために、社会人や夜学生が夜な夜な文字を書いていた当時から、文字ものを中心とした印刷物を得意としている。
特に1,000部以下の小ロット印刷においては、社内一貫生産体制により高品質、短納期、低価格を可能としている。昨今ブームの自費出版は、「NPO法人自費出版ネットワーク」の立ち上げメンバーとして参画。出版社一粒書房として地域の方々や国内外からの要望に、自費出版アドバイザー資格者が著者の想いをカタチにしている。サービスの詳細は一粒書房自費出版Webサイトで確認できる。最後までお客様のイメージを丁寧に聞き取り、最適な本づくりから書店流通までの提案、装丁デザイン・組版編集・印刷・製本まで全てを行っている。 WebサイトにはAI技術を活用したPR動画もあるので注目していただきたい。
「設備が仕事を創る」の考えから、平成7年に日本に導入間もないアメリカ製デジタル印刷機を導入。デジタル印刷がまだ一般的でない時代、この設備投資は重荷となった。しかし、とあるメーカー企業からの「在庫レスで印刷物を納品できないか」の問い合わせを機に奮起。改善を重ね、生産・納品体制を構築し、近年はさらにバージョンアップ。受注データをデジタル印刷機へ自動で流し込み、無人印刷化の実現、省力化と生産性向上を果たす。
現在は、1,000種類を超える多品種かつ、モノによっては一桁数量の小ロット印刷物を、余剰在庫ゼロでの納品体制を確立。また制作工程では、AIの活用を進めて入稿データ処理の効率化を図り、労働環境の改善を進めている。IT技術への積極的な情報収集を通じて、これからの情報媒体のありかたを探求したり、直近では小ロット向けのカッティングプロッタを導入。型が不要で、紙を抜き取ったり、抜き切らずにハーフカット加工ができる機械で、シールやラベル作成に適し、今後はペーパークラフトにも取り組みたいとしている。
また、ご好評をいただいている失敗しない自分史作成システム『MY LIFE STORY 私の自分史年表』もAmazonと全国書店で販売中です。
現代表はリーマンショックのあった平成20年の春に半田市に移る。他業種からの転身で、経営者としての責任と、重圧に耐えられるのかと自問自答を繰り返し、その気持ちは今でも変わらないと言う。経営者諸先輩の背中を日々追いかけ、働く仲間に敬意を払い、「謙虚にして驕らず」をモットーに精進している。「毎日仕事ができるのはお客様があってのこと。日々のご愛顧に深く感謝です。また、きめ細かい対応、丁寧な仕事をする社員には感謝しかありません」と話す。お客様の満足、社員の働く満足の追求が未来への発展につながっていくと信じ、印刷を通じてお客様の夢の実現に、今後もお手伝いをしていく。 (取材:中村真由美)
【住所】半田市有楽町7‒148 ‒1
【代表】宮原健太郎 【創業】昭和23年
【営業時間】 平日 8:30~17:30
【TEL】 0569-21-2130
2025年8月6日(水)
“I wish you a bright day(光り輝く1日になりますように)”そんな想いを込めてお客様の美しい指先づくりのお手伝
いをしている。そして施術しているこのひと時、キレイになった爪でこれから過ごされる時間が“brigh(t 輝く)”ように…。
今回ご紹介する会員事業所は半田市北二ツ坂町のネイルサロン「nail salon bright」。代表の久保知夏氏は幼少期よりオシャレに興味を抱き、物心ついた頃には祖母の爪にマネキュアを塗って遊んでいた。小学生、中学生と成長するにつれ、次第にネイリストになることを将来の夢に抱くようになり、ネイルサロンに7年間勤めた。そのサロンに在籍中、たくさんの施術経験を積むことで、技術の向上はもちろん、カウンセリングからのネイルデザイン提案力や施術中のコミュニケーション力も向上した。その結果、全国展開しているネイルショップに在籍中、全店舗のネイリストの中で月間顧客単価ナンバー1を受賞したことがある。
また、独立の夢が芽生えたのは実父の影響であった。実父は会社を経営しており、経営者として従業員を率いている姿、ワイワイ明るく楽しそうに従業員と接している姿に、久保氏は小学生の時から憧れを感じており、自身も将来は独立して自分の店を持つこと、そして実父のように従業員を雇用し、明るい会社を持つことを夢見ていた。
ネイリストとしての技術を磨き上げ、28歳の時(令和6年2 月)、ご主人や家族の理解を得て自宅の一室を改装しネイルサロンをオープンした。開業当初は集客に苦労する中、お勤め時代の多くのお客様が自ら探して来店されたという。これも久保氏の人柄、技術を求めてのことであろう。同サロンは、ジェルネイルを柱にワンカラーやシンプルデザインが人気で、スピーディーかつ丁寧な施術がお客様から信頼を得ている。また、久保はお客様との空間を大切にしており、心地よく施術を受けていただくことを第一に考え、話好きな方、そうでない方、一人一人の性格に合わせた空間づくりもお客様に選ばれている理由であろう。
昨年度、当所の女性起業家支援助成金「はんだなごみ(和)サポート」に申請し、採択された。その助成金を活用し、5 月にメディカルネイルプランナーⓇを取得した。今後はメディカルネイルプランナーとして、お客様の爪の健康をいたわりながら、さらに付加価値のあるネイルを提供していく。
最後に将来について尋ねると「ネイルのみならず、まつ毛エクステを提供できるよう美容師免許を取得したい。そして自宅を出て自分の店舗を持ち、もう一つの夢である従業員を雇用し、尊敬する父のように明るい会社を作りたい」と笑顔いっぱいに答えた。 (取材:竹内圭志)
【住所】 半田市北二ツ坂町3-10-4
【代表】 久保知夏
【創業】 令和6年2月
【TEL】 080-1602-5074
※メディカルネイルプランナーとは
爪の育成技術を持つネイリストのこと。深爪やトラブル爪で悩んでいる方に対し、正しい知識と安心安全な方法で爪の健康をいたわりながら施術・提案・プランニングを行うことができるネイリストのこと
(メディカルネイルプランナー公式ホームページより抜粋)
2025年7月7日(月)
【起業のきっかけ】
2020年にオープンしたスマイルコア。元々、歯科衛生士として働く関さんが、自身の不調や将来の両親の介護を見据え、歯科の分野だけでなく全身の健康予防にも関心を持ち、リンパセラピストの資格を取得したことがきっかけ。資格取得当初は仕事にするつもりはなく、自分の体をケアするための知識として身につけようと考えていました。
知識や技術を重ねていく過程で、リンパケアの施術を体験してくれていた友人から「調子がいい」「続けて施術してほしい」と言われたことをきっかけに、商売としてリンパケアのサロンを起業することを決意。ご両親が自営業だったこともあり、起業することに抵抗はありませんでした。加えて、歯科衛生士の仕事と両立する上で、どちらも中途半端にしないためにも起業が必要だと考えました。
【口内ケアとは】
現在の事業内容は、リンパケアに加えて「口内ケア」にも力を入れています。口内ケアとは、口の中の筋肉をほぐす施術であり、口内の筋肉を緩めることで顎や舌で感じる痛みを軽減し、ストレスのないスムーズな動きを取り戻し、歯ぎしりやくいしばり、誤嚥などの予防(飲込みの改善)に効果が期待できるものです。
「口内ケア」と聞くと歯や歯茎のメンテナンスを想像しがちですが、全く別物で、歯科医院ではあまり実施されない施術なのです。口内ケアとは何かを正しく伝え、その効果を実感していただくことに使命を感じています。
【お客様の声】
口コミをきっけに通い始めるお客様が中心です。Instagramや公式LINEも活用し、イベントの告知や予約受付などを行っています。お客様の多くは女性で、特に40 代以上の、子育てが一段落し自分のケアに時間を使える方や、介護されない身体作りを目指す方が多いです。施術を受けたお客様からは「身体が軽くなった」「よく眠れる」といった声や、口内ケアによる症状改善の実感があるとのことです。
そういった声を耳にするたび、自分が思っていたよりも悩んでいる人が多いこと、そして歯科衛生士として働くだけでは体験できなかったような、お客様の悩みに直接アプローチできる機会にやりがいを感じています。また、予防に繋がる仕事であることにも活力を感じています。
【マルシェを通じた学び】
最近では、自宅で「お家マルシェ」も開始しました。同じ想いを持つ施術者が業種を問わず集います。お家マルシェは毎月第3日曜日、10時から16時までスマイルコアにて開催されています。子育てが一段落したり、仕事以外に居場所を求める人たちが新たに夢や目標を語れる場所にしたい。そして心身ともに元気になるようなポジティブな場所になればと思っています。ぜひお越しください。
長い人生を楽しむためにも心身ともに健康で、介護されない身体を一緒に作っていきましょう。 ( 取材:加藤由香恵)
【住所】 半田市有楽町
【代表】 関 理恵 【創業】 2020年
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詳しくは公式LINE
又はInstagramよりお問い合わせください。
2025年6月6日(金)
㈲大駒は、創業149年を迎える歴史ある代々続く建築会社です。現在は5代目の榊原芳朗氏が代表を務め、若手大工の育成と、古い建物の保存・再生に力を注いでいます。
同社の歴史は明治10年頃、芳朗氏の曽祖父・榊原為三郎氏が大工として創業したことに始まります。以降、祖父・駒吉氏、父・為吉氏と代を重ね、2001年には芳朗氏の入社を機に法人化し、㈲大駒を設立。2015年には現在の本社所在地へ移転し、芳朗氏が代表取締役に就任しました。
芳朗氏は、刈谷市の白半建設㈱にて現場・営業・管理業務などを経験し、その学びをもとに家業への参画を決意。現在は新築およびリフォーム工事を中心に手がけていますが、住友林業ホームテックの指定工事店として、古民家の修復にも積極的に取り組んでいます。特に、知多半島に多く見られる「黒壁建物」の再生にも数多く携わっており、近年は歴史的建造物の保存に一層力を入れています。
芳朗氏は語ります。「歴史的建造物には、その土地の文化や精神が宿っています。それを次の世代に伝え、視覚的にも残
すために、丁寧に保存していく必要があります。今後5年以内には事業承継も進めていきたいと考えています。」
その事業承継の担い手が、次期後継者である榊原寛樹氏です。寛樹氏は碧南市の㈱梶川建設で土木・建築の現場経験を積んだ後、建築の仕事に魅力を感じ、2013年に25歳で入社。以降、リフォーム現場にて「見て学べ」の教えのもと、外注大工の補佐として約3年間実務を経験。現在も共に働く職人たちは55歳以上が中心であり、将来の職人不足の現実を実感した、といいます。寛樹氏は現在、当所青年部にも所属し、同世代の工事業者とのネットワークづくりにも取り組んでいます。
芳朗氏と寛樹氏は「下請け仕事だけでは将来が厳しい。人と技術を育てることで、大駒にしかできない仕事を確立し、直接受注につなげていきたい」と語ります。その志のもと、若手大工の育成に本格的に着手しました。2018年には半田工業高校(現・半田工科高校)から卒業生を初採用し、以降も定期的に求人活動を実施。現在は3名の若手職人が大工見習いとして成長を続けています。
入社後は、碧南市にある愛知建連技能専門校・木造建築科に、会社負担で週1回・3年間通学させ、実技と知識の両面から育成を行っています。同校では、現場作業では教えにくい伝統的な木造技術の習得が可能で、大工技能士資格の取得支援も受けられます。
近年は、木材不足(ウッドショック)、新型コロナウイルス感染症の影響、2024年からの労働環境の変化(長時間労働の是正、人手不足、コスト増)など、建設業界は大きな転換期を迎えています。大駒でも新築工事の依頼が減少する一方で、リフォーム需要が拡大。現在、売上の約半分が口コミや紹介による直接受注となっています。
2018年入社の若手社員(現24歳)は、今では現場を任されるまでに成長。新築ではあまり使われなくなった「曲尺(さしがね)」「鑿(のみ)」「鉋(かんな)」などの道具も使いこなし、次世代育成にも携わっています。
同社が手がけた修復実績としては、半田市亀崎の伊東合資の酒蔵(本蔵および土蔵レストラン)、市内寺院の手水舎、本社建物(築60年の古民家をリフォーム)などがあります。
寛樹氏は将来について、次のように語ります。「今後は若手社員に、大工と現場監督を兼任する“プレイングマネージャー”として、着工から完成まで一現場を任せていきたいと考えています。また、多機能工として大工以外の技術も身につけてもらいたい。私は営業・設計にも力を入れ、現場経験を活かして間取りや建築パースなどを用いた提案を通じ、お客様に完成イメージをしっかりお伝えしていきたいと考えています。最後に、今後も『大駒にしかできない仕事』の実現に向けて、確かな技術と熱意で地域社会に貢献していきます」( 取材:中村稔晴)
【住所】半田市清城町1-12-15
【代表】榊原 芳朗
【TEL】0569-22-6240
【休日】土・日
【HP】https://daikoma.jp
2025年5月2日(金)
半田市乙川にあるMaruru整体院。ここは、ただ痛みを取り除くだけの場所ではない。身体の声に耳を傾け、その人自身が本来持っている力を引き出すことを大切にしている。院長の北原氏は、丁寧なカウンセリングと確かな技術で、多くの人の
悩みに寄り添い続けてきた。
痛みの先にある、本当の原因を探る
肩こりや腰痛、頭痛、スポーツ障害、産後の不調̶̶。Maruru整体院に訪れる人の症状はさまざまだが、その根本原因は必ずしも痛みのある場所にあるとは限らない。「痛みは身体からのサイン。本当に必要なのは、そのサインがなぜ出ているのかを知ること」北原氏はそう語る。カウンセリングと身体のチェックを通して、生活習慣や姿勢を確認し、不調の根本を探り出す。施術は、身体に無理なく働きかける優しい手技が中心。歪んだ骨格を整え、筋肉や関節のバランスを取り戻すことで、自然治癒力を高めていく。
心まで軽くなる場所
Maruru整体院の施術室は、落ち着いた空間が広がっている。リラックスできる環境づくりを大切にしているのは、北原氏が「身体と心はつながっている」と考えているからだ。身体の不調は心にも影響するもの。だからこそ、施術中の会話や患者のちょっとした表情にも気を配る。自分の身体の状態を知り、少しずつ良くなっていくのを感じることで、自然と心も軽くなっていく。
地域とともに歩む整体院
半田市乙川に根ざしたMaruru整体院は、地域の人々とのつながりを大切にしている。健康に関するイベントや講座を開催し、セルフケアの方法や姿勢改善のポイントを分かりやすく伝えているのもその一環だ。痛みが和らぐだけでなく、心まで軽くなる。Maruru整体院は、そんな場所であり続ける。
「Maruru(マルル)」という名前は、タヒチ語で「ありがとう」という意味だ。北原氏は、この言葉に込めた感謝の気持ちを大切にし、患者一人ひとりと正面から向き合い、共に現実を変えていきたいと心の底から思っている。
人間には本能的に「変わりたくない」という思考が備わっている。今日の身体の状態を維持しようとセルフケアを頑張っても、48時間後にはその気持ちは薄れてしまうことがほとんどだ。この現象は、自分の意思とは関係なく、誰にでも起こる自然の原理だ。もし「自分は意思が弱いから」「昔から変わらない」と感じてしまうことがあっても、それが人間の「原理原則」であり、不変の事実だと北原氏は語る。
Maruru整体院では、この現実を踏まえて、患者と共に「変革」を起こすことを大切にしている。身体のケアだけでなく、思
考や心の状態にもアプローチし、患者が自然に目指すゴールに向かえるようサポートを行っている。表面的な会話では現実は変わらないため、患者と真摯に向き合い、患者が抱える辛さや困難を解消する手助けをしている。
北原氏は、今後もMaruru整体院を通じて、地域の人々が心身共に健やかな生活を送れるよう、感謝の気持ちを忘れずに支え続けるつもりだ。
( 取材:大岩咲紀)
【住所】半田市花田町1‒13‒2
【代表】北原克彰
【営業時間】9:00~13:00 15:00~21:00
【TEL】0569ー84ー1810
【定休日】水曜日午後、木曜日